白身魚の種類
食品で利用され、食品売り場などで販売されたりする
白身魚の種類を写真をまじえて説明してみました。
販売されない魚、若干地域特産の珍しい魚も入っています。
各魚、味や簡単な調理法なども分かる魚は書いておきました。
目次
白身魚の種類 一覧
アンコウ目
- アンコウ科 アンコウ(鮟鱇)
ウナギ目
- アナゴ科 アナゴ(穴子、海鰻)
- ウツボ科 ウツボ(鱓)
- ウナギ科 ウナギ(鰻)
- ハモ科 ハモ(鱧)
カサゴ目
- アイナメ科 アイナメ(鮎魚女、鮎並、愛魚女)
- ホッケ科 ホッケ(魚へん花)
- メバル科 メバル(鮴、眼張、眼張魚)
キンメダイ目
- キンメダイ科 キンメダイ(金目鯛)
サケ目
- サケ科 サケ(鮭)
スズキ目
- ブダイ科 アオブダイ(青武鯛)
- キツネアマダイ科 アマダイ(甘鯛、尼鯛)
- アイゴ科 アイゴ(藍子、阿乙呉)
- イサキ科 イサキ(伊佐木、伊佐幾、鶏魚)
- イシダイ科 イシダイ(石鯛),イシガキダイ(石垣鯛)
- ウミタナゴ科 ウミタナゴ(海鱮)
- カマス科 カマス(魳、梭子魚、梭魚、魣)
- キス科 キス(鱚、鼠頭魚)
- キントキダイ科 キントキダイ(金時鯛)
- ギンダラ科 ギンダラ(銀鱈)
- ベラ科 キュウセン(求仙)
- タイ科 クロダイ(黒鯛),マダイ(真鯛),ヘダイ(平鯛)
- シイラ科 シイラ(鱪、鱰)
- タチウオ科 タチウオ(太刀魚、立魚)
- ニベ科 イシモチ(シログチまたはニベ),ニベ(鮸),シログチ(白愚痴、白口)
- ハタ科 クエ(垢穢)
- ハタハタ科 ハタハタ(鰰、鱩、雷魚、燭魚)
- メジナ科 メジナ(眼仁奈、目仁奈)
- スズキ科 スズキ(鱸)
ダツ目
- サヨリ科 サヨリ(鱵、細魚、針魚、針嘴魚、水針魚、竹魚、長鰯)
- ダツ科 ダツ(駄津)
- トビウオ科 トビウオ(止比乎、飛魚、鰩、 )
タラ目
- タラ科 スケトウダラ(介党鱈、鯳),タラ(鱈、大口魚、鰔)
- タラ科ミナミダラ属 ブルーホワイティング
- メルルーサ科 メルルーサ
ヒメ目
- エソ科 エソ(狗母魚、鱛)
フグ目
- カワハギ科 カワハギ(鮍)
- フグ科 トラフグ(虎河豚)
- ハリセンボン科 ハリセンボン(針千本)
ボラ目
- ボラ科 ボラ(鰡、鯔、鮱)
鯖やぶりやサケは白身魚?
簡単に結論から入ってみると
鯖やぶり = 青魚に分類
サケ = 白身魚に分類
となります。
青魚は見た目で単純に分類するようなものです。
背が青緑色を帯びた魚の種類です。イワシ類、サバ類、アジ類など
のことを指します。
(鮭の身は赤いですが)
そうなるとサケはどっちなのかということですが
青魚とはことなり、赤身魚と白身魚を区別するのには
姿の見た目ではなく
筋肉中の血色素によるものです。
「ヘモグロビン」「ミオグロビン」の色素たんぱく質の
血液中の含有量で分類がきまります。
となっており、鯖やぶりが青魚で
サケは白身魚に分類されます。
サケが白身魚という理由は下にも詳しく載せておきます。
白身魚の種類 アンコウ目
アンコウ(鮟鱇)
日本でとれ、食されるアンコウの種類は主に
アンコウと、キアンコウ、味はキアンコウの方が美味とされる。
スーパーなどで部分的にばら売りなどされている。
見た目は結構な姿の魚であるが、ほとんどの部位が食べられる。
旬は冬、アンコウの旬は梅が咲くまでとされている。
アンコウは肉よりも、他の部分のほうが食品として重宝される。
肉の部分は淡白な白身であまり味はしない感じだ。
ウナギ目
アナゴ(穴子、海鰻)
寿司などでよく使われるのでだいたいの人は知っていると思われる。
夜行性で昼は穴に潜んで、夜から活動する。
アナゴ(穴子)の名前の由来も穴に潜む姿から。
マアナゴ、ゴテンアナゴ、クロアナゴなどの種類がいて
味はマアナゴが一番うまいとされている。
てんぷら、蒲焼、寿司類などの料理に利用される。
あまり釣りなどの対象魚などではなさそうに見えるが、夜間にわりと防波堤からも
よく釣れる魚。
市販の寿司に使われているアナゴは正直不味いものが多いが
実際に釣ったものを、蒲焼きになどして食べるとわりと旨い。
ウツボ(鱓)
こちは知っている人も多いと思うが、食べた人は
すくないのではないだろうか
獲ってきたものを処理するのがかなり面倒なよう。
非常に種類が多く、食べられているのは普通のウツボが多い。
ウナギ(鰻)
蒲焼が有名な白身魚。
血に問題があるようで、生では売られることはない。
ハモ(鱧)
わりとよく売られる白身魚。
この手の魚に多い夜行性、昼間は砂や岩の間に
身を潜めて、夜間に行動する。
味は淡白でなかなか美味しい。小骨が多い魚なので
料理するときは骨切りというのをしないといけない。
カサゴ目
アイナメ(鮎魚女、鮎並、愛魚女)
出典 – https://commons.wikimedia.org/
ときおり販売される、磯場にすむ底ものの海水魚。
体の色は生息域によって黄色、黄褐色、紫褐色と色々。
旬は夏で、調理法は、カラ揚げ、照り焼き、刺身など。
ホッケ(魚へん花)
出典 – https://commons.wikimedia.org/
アイナメ科の海水魚。
ホッケは北海道産の干物がよく販売されている。
身が分厚い白身魚で、なかなかなお味。
ほっけの漢字は魚偏に花と書かれるのは、幼魚が緑色で美しいと
ということからきている。
メバル(鮴、眼張、眼張魚)
目が非常に大きいのが特徴の魚で見分けやすい白身魚。
名前の由来も目が大きい事のようだ。
サイズが割と大きくても、頭がかなりでかいので以外に食べる
部分が少なかったりする。
かなり生命力が強い魚、海水から出して数時間置いていても
まだ生きていることも。
色は深さによって極端に変化する魚。
アカメバル,クロメバル,キンメバルと違いがある。
メバルは春〜夏が旬、白身魚で、焼いたり、煮たりで食べる。
白身魚の種類 キンメダイ目
キンメダイ(金目鯛)
出典 – https://commons.wikimedia.org/
眼が大きく黄金色に輝いている特長的な白身魚。
主に昼間は深海にいて、夜になると表層あたりまで
やってくる。
鯛ほどではないが、それなりの値段がする魚。
冬が旬で、白身で脂肪に富み美味い。
調理法は刺身、煮魚、干物など。
白身魚の種類 サケ目
サケ(鮭)
弁当やおにぎりなどに入る魚のなかでもメジャー
あまり知らない人はいないだろう。
みるからに赤身のようだが、白身魚のようだ。
白身魚の種類 スズキ目
アオブダイ(青武鯛)
沖縄で捕れる白身魚なので、本土の方は旅行などでしか料理は目にしないかも。
アオブダイは沖縄でよくうられれている青い魚の正式な名前。
沖縄ではイラブチャーやイラブチと呼ばれている。
肉に独特の磯くささがあり、冬は美味。
調理法は、刺身やちり鍋にして食べる。
アマダイ(甘鯛、尼鯛)
日本でとれるものには、シロアマダイ、アカアマダイ、キアマダイ
がある。
甘鯛という漢字がつくだけあって美味。
調理法は、みそ漬け、照り焼き、幽庵焼き、酒蒸し、そば蒸しなど。
アイゴ(藍子、阿乙呉)
毒針をもつ魚、亡くなっても針に毒がのこるので、やはり
一般的には販売されない。
尿便臭いなどと言われる魚であるが
しっかりと処理されたものは、白身でわりと美味。
イサキ(伊佐木、伊佐幾、鶏魚)
出典 – https://commons.wikimedia.org/
本州中部以南で獲れる白身魚、長崎産や島根産などが
よく売られる。
値段はそこそこ、それほど安くもなく高くもない。
体の縞模様と、胸鰭が黄色いのが特徴。
旬は5〜9月、このころが美味。
調理法は、刺身、塩焼きなど。
イシダイ(石鯛)
出典 – https://commons.wikimedia.org/
写真を一度みれば、わりと見分けやすい魚かもしれない。
タテジマが特徴の白身魚。
イシダイは、夏が旬
調理法は、刺身、洗いなど。
釣りでは強烈な引きが熱く、シーズンにははまる
ひとも多い。
イシガキダイ(石垣鯛)
出典 – https://commons.wikimedia.org/
イシダイにはタテジマがありこちらは
石垣も状に黒い斑点がある白身魚。
イシダイと同様に、夏が旬
調理法も、刺身、洗いなど。
ウミタナゴ(海鱮)
名前の由来は、淡水のタナゴと体型が似ているから来ている。
卵ではなく稚魚を腹から生み出す魚。
旬の時期は晩春。
調理法は、塩焼き、煮つけなど。
カマス(魳、梭子魚、梭魚、魣)
カマスは時期によってはよく販売される白身魚。
日本でよくとれ、食されるのは、アカカマス、ヤマトカマス、アオカマスの3種。
旬はヤマトカマスは夏、アカカマスは秋から冬。
秋のアカカマスは非常に美味、おすすめできる白身魚。
ミズカマスとして売られているのはヤマトカマスで、名前の通り水っぽい。
ヤマトカマスは調理法によってはいまいちなので
調理するときはあうレシピを選択したほうがいい。
群れがいればルアーでもサビキなみに簡単に釣れます。
キス(鱚、鼠頭魚)
細長い白身魚、よく一般的に売られる白身魚。
旬は夏で美味。
調理法は刺身、塩焼き、てんぷら、フライ、吸物など。
夏場にはは岸辺の浅いところまでくるので
よく釣れやすい。
キュウセン(求仙)
出典 – https://commons.wikimedia.org/
ちょっと変わった色をした白身魚、たまに売られていても
いつも売れ残ってしまっているような。
見た目で判断する人も多いのでしょうか。
夏が旬、調理法は、煮つけ、みそ汁、焼き魚、てんぷらなど。
キュウセンは関西では兵庫県の方で釣れる。
須磨あたりでよくサビキが釣れている。
ギンダラ(銀鱈)
出典 – https://commons.wikimedia.org/
名前の由来は体が銀色に光ること。
鱈との名前がつくが、タラ科の魚にはあまり似ていない。
あまり美味ではない白身魚。
調理法、塩焼き、みそ漬、フライなど。
キントキダイ(金時鯛)
眼は大きく、ウロコは小さい。
白身の肉は軟らかく、あまり美味くはない白身魚。
調理法は煮付けなど。
クロダイ(黒鯛)
ときに食品として販売される。
釣りしない人には知られていないので、鯛より
値段は鯛に比べ安い、味は鯛とついているだけあって
それなりに鯛に似ている。
よく釣りの対象とされる、雑食性でなんでもよく食べる。
シーズンによってはコーンなどで釣れることもある。
マダイ(真鯛)
祝いの席には欠かせない縁起の良い白身魚の一つ。
見た目は非常に美しい赤い色合いをしている。
味も姿も良い魚。
調理法は刺身,焼き魚,潮汁,ちり鍋,蒸物
などさまざま。
場所によってはまずまずよく釣れる魚、引きは
かなり強い。
ヘダイ(平鯛)
本州中部以南で獲れる海水魚。
あまり磯くささがない。
調理法、刺身,塩焼き,煮つけなど。
シイラ(鱪、鱰)
生きているときの体色が輝くような黄金色
をしていて綺麗な魚。
別名マンビキ、これは群れに会うと続けて釣れることに
に由来するようだ。
淡白な味のする白身魚で、夏が旬。
タチウオ(太刀魚、立魚、魛)
一目で見分けやすい細長い魚。
名前の由来は太刀から来ている、英名はサーベルフィッシュ。
立って泳ぐのだが、立ち魚ではない。
防波堤からわりと簡単に釣れる割には美味な白身魚。
血が少ないからか、割と肉は痛みづらい。
焼いても刺身でも美味しい魚の一つ。
イシモチ(シログチまたはニベ)
イシモチとはニベ(鮸),シログチ(白愚痴、白口)を表す。
名前の由来は、頭の骨に炭酸カルシウムでできた大きな耳石を
もつのが由来とされている。
防波堤からつれるのはほとんどニベ。
クエ(垢穢)
まだら模様が特徴の、大型になるハタ種類の白身魚。
ハタの種類の中でもっとも美味。
調理法は刺身、洗い、ちり。
ハタハタ(鰰、鱩、雷魚、燭魚)
東北地方の日本海沿岸、北海道でよく獲れる。
白身はやや硬く脂肪が多い。
卵はブリコと呼ばれている。
調理法は煮つけ,塩焼き,はたはたずし,干物など
メジナ(眼仁奈、目仁奈)
北海道以南の日本各地でみられる、身近な場所にいる白身魚。
小さいサイズのものがよく群れているのがテトラや防波堤
からでもみることができる。
7年かかっても30cmとあまり大きくならない魚。
磯臭さがあるので、血抜きが必要。
調理法は刺身や煮つけなど。
スズキ(鱸)
白身魚の高級魚。
成長するにしたがって名称が変わる出世魚として有名。
コッパ→セイゴ→フッコ→スズキと大きくなるにつれて
名前がかわっていく。
シーバスなどと呼ばれルアーのゲームフィッシングとして
有名な魚。
近場の海からでも1mサイズが狙える魚、50cmぐらいのものは普通に釣れる。
黒っぽい居付き型と回遊型がいて、味はどちらかというと
回遊型のほうが良い。
居付き型は水の汚染により臭いのするものや、健康に影響が
あるものが検出されているのであまり食するのはオススメできない。
旬は夏で、調理法は、洗い、刺身、塩焼きなど。
白身魚の種類 ダツ目
サヨリ(鱵、細魚、針魚、針嘴魚、水針魚、竹魚、長鰯)
特徴的な下あごをもつ白身魚、わりと大きくなり
全長40cmにもなる。
サヨリの旬は春〜秋で美味。
調理法は刺身、わん種、てんぷらなど。
ダツ(駄津)
出典 – https://commons.wikimedia.org/
細長い魚で、全長1mにもなる。
南日本で多く獲れる。
口がとがっていて鋭く、空中に跳び出すことがある
これにより漁師が負傷することがある。
トビウオ(止比乎、飛魚、鰩)
サンマ科の海水魚、見た目で分かりやすく胸鰭が羽状に
なっている。
販売されるときもそのまま胸鰭が付いたまま売られる。
やや身が固めな白身魚だが、味はそれほどないが悪くはない。
たまにスーパーなどで和歌山県産や鹿児島産が売られることがあり。
白身魚の種類 タラ目
スケトウダラ(介党鱈、鯳)
どちらかと言うと一般に販売されているのは
卵巣のたらこのほうが有名なスケトウダラ。
白身魚で、漁獲量が多い。
魚の身の旬は1〜2月。
調理法は、刺身、煮魚、かす漬など。,
魚の多くはそのまま販売されるのではなく
かまぼこなどの練り製品原料となって販売される事が多い。
タラ(鱈、大口魚、鰔)
北の方でよく獲れる魚、北海道産が冬にはよくどこででも売られる白身魚。
旬はやはり冬で、なべや煮つけなどにすると美味い。
安い白身魚の中では一番、身も多くて美味いような気がする。
漢字は魚偏に雪と書く、その通り冬に獲れるのが由来。
白身魚の種類 ヒメ目
エソ(狗母魚、鱛)
釣りの外道として釣れるエソという魚、あまりみられないので。
不気味な感じがするが、かまぼこの材料として使われるだけあり
なかなかの味がする白身魚の種類
白身魚の種類 フグ目
カワハギ(鮍)
独特の姿が可愛い、海水魚で
本州中部以南に多く生息している。
たまに販売される白身魚。
調理法は、刺身、煮魚、ちり鍋など。
割とよく釣れるが、糸をちぎり餌をとるので
やっかいなやつ。
キタマクラと似ている上に外道で来るので注意。
ハリセンボン(針千本)
本州中部以南に生息するハリセンボン科の白身魚。
食べられないような見た目だが意外においしい。
よくテレビなどの映像で取り上げられているのは
怒ったときなどの膨らんでいる所で普段は
ややほっそりとした感じである。
トラフグ(虎河豚)
出典 – https://commons.wikimedia.org/
フグ料理に利用されるフグで有名なのがトラフグ
下関、広島などではフグの種類の中ではトラフグがもっとも美味いとされている。
冬季が旬の白身魚
白身魚の種類 ボラ目
ボラ(鰡、鯔、鮱)
販売は一般的にほとんどされない魚、とれる場所や時期に
よっては、泥臭い。
ボラは小骨が多い、時期によっては味が良いとの事も。
釣りでは外道として扱われる魚。
サビキで掛かると容赦なく、仕掛けを引きちぎられる奴。
海岸からみえる飛び跳ねているのは、だいたいはボラかスズキ。
よく船底についてる藻をハムハムしている。
真冬の時期に、水温が暖かい所に凄まじい数のボラが集まって
いて、不気味な光景に見える事も。
鮭は白身魚なのか
鮭は『白身魚の一つとして区分』されています。
この理由を知りたい方も中にはいると思うので、一般的に
あまり知られていない、鮭がなぜ白身魚なのかという理由を載せておきます。
普段よく食卓に上がる魚というのは、身は
赤い色と白い色に、見分けられる魚も多く
身の見た目だけで「赤身魚」や「白身魚」などに
分けられると思われがちですが、異なります。
鮭の身 見た目は赤いが白身魚
鮭は身の見た目からしては赤身ような色の
魚にしか見えませんが、意外なことに
『白身魚の一つとして区分』されています。
弁当やおにぎりなどにも入り、日常的によく食べられる
魚の中一つにもかかわらず一般的には白身魚としては
あまり知られていないですね。
白身魚はどう分類されるか
青魚の分類
まずは青魚というものの分類について、これは
背の部分が青緑色をしたもので、アジ、イワシ、サバ類や
青物と呼ばれるブリ、サワラ、カンパチなどを指します。
鮭はこれには該当しないので青魚ではないといえます。
筋肉中の血色素の含有量により「赤身魚」「白身魚」に区分されている
赤身魚と白身魚を区別するには、魚の身の見た目ではなく
筋肉中の血色素によるものです。
血液色素タンパク質「ヘモグロビン」と
筋肉色素タンパク質「ミオグロビン」
これら色素タンパク質が豊富に含まれていると、赤身魚に
分類されます。
鮭は色素タンパク質の量から白身魚に区分
魚を「赤身魚」「白身魚」に区分するには
「ヘモグロビン」「ミオグロビン」などの色素タンパク質の量から分類する訳ですが
わかりやすいように、よく食卓に出回る魚を例にあげてみると
色素タンパク質 10㎎/100g以上 赤身魚
マグロ、カツオ、ブリ、アジ、サバ、イワシ、サンマ
色素タンパク質 10㎎/100g以下 白身魚
サケ、タラ、タイ、ヒラメ、カレイ、キス
このように「見た目の色」というよりも、色素タンパク質の含有量で
鮭が魚の中で、白身魚に位置付けされている理由です。
鮭と同じような白身魚に区分される魚は大きく回遊し続けたりはせずに、近海を泳ぎ
赤身の魚に比べると行動範囲が狭い魚が多いです。
鮭はアスタキサンチンが体内に蓄積されている
白身魚に区分される鮭ですが、食用の鮭の見た目が赤なのは
身体にアスタキサンチンが蓄積されているというのが理由です。
アスタキサンチンという色素は、エビやカニに含まれる
カロテノイド系色素の一種。
アスタキサンチンにまつわる雑知識
沖縄では食性により毒を持つヤシガニを調理する際、煮ると甲羅が赤くならなければ毒はないと信じられてきた。アスタキサンチンが必ず赤く染まるので、これは迷信である。また、本来白身魚であるサケの身肉はアスタキサンチンによる赤色をしているが、産卵直前には皮膚(婚姻色♂)とイクラ(♀)に赤色が移り、身肉は本来の白っぽいものになる。
出典 – https://ja.wikipedia.org/wiki/アスタキサンチン
鮭に含まれる「アスタキサンチン」は、元をたどれば
ヘマトコッカス藻という、海中の藻に含まれることが報告されています。
ヘマトコッカス藻を培養して、アスタキサンチンを大量生産すると
ということもすでに行われています。
アスタキサンチンの元を辿る、単純な食物連鎖の順を示すと
ヘマトコッカス藻
↓
オキアミなどのプランクトン
↓
鮭
というような順番で最終的に鮭にたどりつく。
オキアミなどのプランクトンにはカニの幼生や
浮遊性甲殻類も含まれています。
海洋生活期には、端脚類、カニの幼生などの浮遊性甲殻類や幼魚などを食べて成長する。
出典 – 世界大百科事典第二版 サケ(鮭)
鮭は自然界ではアスタキサンチンが豊富に含まれている餌を捕食しますが
養殖魚でアスタキサンチンを含まない餌を与えるとたとえ鮭類でも
白身の魚になる。
海洋生活
身(魚肉)のサーモンピンクと称される特有の色は、餌に含まれる色素に由来しているため、養殖魚で赤色色素を含まない餌を与えると、白身の魚肉となる。
出典 – https://ja.wikipedia.org/wiki/サケ類
逆に北欧で養殖されている大西洋サケは色揚げのために
大量のアスタキサンチンが使用されているようです。
鮭は白身魚で身が赤いのは、生態も関係
なぜ鮭が多くのアスタキサンチンを含み身が
赤い色をしているのか。
餌となるプランクトンが大元の原因となりますが
鮭がアスタキサンチンを体内に蓄積する必要がある
理由として、鮭の生態行動にもあります。
鮭の一生はテレビ番組などでも放送されることもあるので
知っている方も多いと思います。
鮭は川で卵として生まれ、海で何年も育ちます。
母川に回帰して、そこで産卵。
産卵行動を終えた鮭は、そのまま亡くなる。
鮭が川を遡上するのに必要なアスタキサンチン
映像でもよくありますが、鮭が川を遡上するときに
体がボロボロになっているシーンなどが見受けられます。
かなり浅い所も通っていかなくては
ならず岩などに体の表面をぶつけてしまう事に
より傷つきます。
さらに、川の浅い部分も通っていく時に、強烈な紫外線に
体もさらされることになり
活性酸素が発生することによって筋肉が傷つき
悪化する事になります。
その原因となる活性酸素を抑える、役割を担うのが、
「アスタキサンチン」で鮭が川を遡上し、産卵場所に
たどり着くのに必要な色素です。
卵の孵化にもアスタキサンチンが不可欠
産卵した、卵にも親のアスタキサンチンが
受け継がれます。
鮭の卵は浅瀬に産み落とされることも多く、紫外線の影響
で遺伝子障害や脂質の酸化するのを守るのが卵中にアスタキサンチン
が含まれる理由です。
このため親から受け継がれるアスタキサンチンの量が少ない
赤くない卵だと孵化しないということも多い。
鮭の卵というとイクラですが、あのイクラにも鮭の身と
同じようなアスタキサンチンが含まれているというのは中々
興味深い感じです。
鮭は白身魚 まとめ
鮭の産卵活動、川を遡上し過酷な行動に耐える為。
そして産卵した卵が孵化するのに必要な、アスタキサンチンを
蓄える必要があります。
鮭がこのような母川回帰する生態の為、アスタキサンチンを蓄える
必要があり、他の白身魚と異なります。
アスタキサンチンが含まれているということが白身魚にもかかわらず
鮭の身が赤い、という理由だと考えられます。
産卵直前には、雄は皮膚に、雌は卵に赤色が移り、身は白っぽく
なるようです。
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