深海サメの種類
まだまだ謎に満ちている深海サメの種類を紹介。
水圧に耐えれるような、独特の姿をしていて、
あまりサメらしい姿でないものも。
そこを這うようなサメも多いのが特徴です。
深海サメの種類一覧
- メガマウス
- フトツノザメ
- イズハナトラザメ
- カスザメ
- ナヌカザメ
- ニホンヤモリザメ
- アオザメ
- ホシザメ
- ミツクリザメ
- ヨロイザメ
- ヘラツノザメ
- ノコギリザメ
- アブラツノザメ
- イコクエイラクブカ
- エドアブラザメ
- カグラザメ
- フジクジラ
- ラブカ
深海サメの種類
メガマウス
出典 – https://en.wikipedia.org/
生息水深は10m〜300m、主に水深200m近くに生息している。
名前のように体に比べて、巨大な口を持っている。
全長5mに対して、1m程度の口幅をもつ。
口をあけて主にプランクトンや小型の深海の生物を捕食する。
種類は発光性の小エビの種類や、クラゲ、無脊椎動物など。
1976年にハワイ近海で発見されてのが初めてで
まだ、あまり知られていないことが多い、深海サメの種類。
日本でメガマウスが確認されたのは、1989年1月に
静岡県浜松市の砂浜に1個体が打上げられた。
メガマウスが打ち上げられた時期と地震発生が近かった
ことがあったので、地震を予兆するサメなどと
ということがネットでは噂されている。
フトツノザメ
出典 – https://www.fishbase.org/
生息水深は50m~230m
全長最大1m50cm
背ビレの前に太いトゲをもつのが名前の由来。
冬には水深10m付近にも浮かび上がってくる。
目が光を当てるとエメラルドグリーンに輝く。
イズハナトラザメ
出典 – https://www.fishbase.org/
生息水深は100m~200m
静岡県下田市白浜の沖合いで初めて見つかった。
1992年に新種として登録された深海サメ。
全長20cm〜40cm、程度とかなり小さい。
日本各地でみられるトラザメとは違う種類のサメ。
トラザメと比べると体に白い斑点が明瞭に
出ている。
カスザメ
出典 – https://commons.wikimedia.org/
生息水深は20m~200m
全長最大2m
エイのような姿をしている深海サメの種類。
英名はエンジェルシャーク、和名はカスザメという名前
でも不思議な感じ。
昼間はあまり動かずに海底に潜んでいて
餌が捕食できる範囲に近づくと一気に飲み込んでしまう。
オロシザメ
出典 – https://www.pinterest.com/
生息水深は150m~350m
1985年にはじめて北半球で発見された。
全長最大65cm。
みためからしてザラザラとして感触が見て取れます。
名前の由来はその肌がおろし金状になっている
ことのようです。
正面からみると豚の鼻のような噴水孔をもち
かわいい姿をしている。
ナヌカザメ
出典 – https://commons.wikimedia.org/
生息水深は90m~200m
全長最大 1m40cm
ナヌカザメは非常に生命力が強いサメ、実際は7日も生きることは出来ないが
7日間陸に放置しても、生きられるほど丈夫なことがナヌカザメという名前の由来。
底引き網などで深海から捕獲されてすぐに水槽などに
いても元気に泳ぎ回るようなタフなサメ。
他のナヌカザメの種類と同様に胃に水や空気を吸い込んで膨らますことができ
敵に攻撃されたときは岩の隙間などに体を固定して
抜け出せなくなるようにする。
ナヌカザメの分布は、日本から南シナ海までのインド洋、太平洋海域。
体長は、最大1,4mまで。
姿は同属のアメリカナヌカザメによく似るが体色が
少し異なる、生息域は少し異なる。
アメリカナヌカザメは浅海の岩礁のくぼみや潜んですごすことが
多くみられる。
ナヌカザメは主に海底ですごし、アメリカナヌカザメよりも
深い層(90m〜200m)まで生息している。
餌は主に海底でいる、硬骨魚、甲殻類、他のサメなどで
かなり貪欲に餌を食す。
(現生のシーラカンス ラティメリアの標本)
ナヌカザメは生きる化石として有名な魚、現生のシーラカンスが食べる餌
として報告されている魚の一つ。
現生のシーラカンスはラティメリア科 ラティメリア 。
現生のシーラカンス ラティメリアが生息しているのは水深150mよりも深い層が多く、
ナヌカザメの生息域と重なっている。
ラティメリアの大きさは、体長は約1~2m、ナヌカザメの平均体長は1m前後
ラティメリアが成魚として成長した場合、ナヌカザメは少々餌としては大きいが
十分捕食できるサイズの大きさ。
現生のシーラカンス ラティメリアの捕食行動と思われる事が記載されている
以下は ラティメリア Wikipedia の生態の項目
静かな海底で頭部を下に尾を上にした逆立ちのような姿勢で1点に静止している様子も撮影されている。これは、そのあとの行動が撮影できていないが、おそらくは獲物を待ち受ける独特の捕食行動と思われる。鰾(ひょう、一般にいう浮き袋)には空気ではなく油脂が詰まっている。水より軽い油を浮き袋に蓄えることで浮力を得ているのである。
ラティメリアのこの行動はナヌカザメのような、底生魚を捕食する為の
行動の一つだったのではないかと思われる。
ニホンヤモリザメ
出典 – https://www.fishbase.org/
生息水深は200m~500m
全長最大70cm程度の大きさ。
背中に斑点状の模様があり、体つきもヤモリに
似ていることが名前の由来とされている。
海底を這うようにして、小型の生物を捕食する。
アオザメ
生息水深は50m~650m
サメのなかではもっとも早く泳ぐ</ b>(時速35キロメートル)。
気性は荒いので、危険なサメの一種です。
全長は最大4m程と、サメの種類中で比較すると中型サイズぐらい。
背中がメタリックブルーの色をしているのが和名の由来。
ホシザメ
出典 – https://www.fishbase.org/
生息水深は50m~600m
黒い体に小さい白い点が星のようにちりばめられたような姿が
名前の由来。
全長は最大約1m40cmほど。
一定の範囲の砂泥地で生息し、それほど移動
しない。
海岸や船釣りでよく釣れるサメのようだ。
ミツクリザメ
出典 – https://www.youtube.com/
ミツクリザメの分布は日本から南アフリカ、ポルトガル沖、オーストラリアにわたる。
分布はほぼ世界の深海に分布していると考えられている。
日本では相模湾や駿河湾などで見つけられている。
水深 100m~600m
体長 80cm~3m90cm
ミツクリザメの発見例を過去をさかのぼると、1800年代にすでに発見されており
非常に長くつきだした吻が特徴的で、テングザメなどと呼ばれていた時期があった。
日本では昔サメ類の歯などは天狗の爪などとされて各地で宝物とされていた。
このミツクリザメは天狗のような姿にあたるが、昔の人は
未知なるものを天狗などと結びつけていた事も多い。
ミツクリザメの最大の特徴である長い吻の役割は獲物を襲うために使うものだと
思われてきたが、餌を探すために使うものだということが
解明されてきている。
ミツクリザメの長い吻の中にはロレンチニ器官があり
それで、生物に発生している微弱な電気を感知して
獲物を探している。
おもにロレンチーニ器官はサメの吻あたり多く集中していて
小さい穴が開いている。
ロレンチーニ器官はサメがもつ器官で
電気刺激、触覚刺激など感知するセンサーの
役割としていて、サメの獲物となる生物がだす弱い電気刺激に
反応することが、1971年にアメリカのカルミジン博士によって
証明されている。
このロレンチーニ器官はサメのなかではシュモクザメなども
かなり発達している。
シュモクザメもミツクリザメのようにかなり吻に特徴のあるサメ。
ミツクリザメは近年では、水中映像や水族館などの飼育例から
餌を捕食する際に、顎を大きく突き出し噛みつく行為をするため
長い吻を使わずに捕食することが解明された。
ミツクリザメの顎を大きく突き出す行為は
詳しくはNIKKEI STYLEの記事に記載されている一部を抜粋
ミツクリザメの捕食シーンはNHKが撮影した5回だけで、サメ研究者である北海道大学の仲谷先生はこの貴重な映像を使って摂餌行動を分析した。それによると、ミツクリザメが両顎を突出させる長さは体長の10%ほどで、サメ類のうちでは最大、そして突出速度も最速だという。悪魔の容貌はエサの乏しい深海で餌を捕らえる特有の戦略だというわけだ。
出典 – https://style.nikkei.com/
以下の画像はミツクリザメが噛みつく際に顎を突き出す
様子の断続的な画像、画像は撮影時のアクシデントでダイバーの腕に噛みついているが
餌を捕食する際もこのように顎を突き出すようだ。
最初と最後の画像を比べてみるとかなり伸びている様子がわかる
顎が体長の10%ほど伸び、大きい個体では全長3m90cmあるものも
いるので、瞬間的に最大39cmも顎が飛び出してくるのである、捕食される
獲物にとってはたまったものではないだろう。
ミツクリザメは風貌、捕食行為ともにゴブリンシャーク(悪魔のサメ)と呼ばれる
のに相応しい深海サメの一種。
ヨロイザメ
出典 – https://commons.wikimedia.org/
生息水深は200m~600m
名前の由来は体が鎧のように硬いことから来ている。
歯は大きくのこぎり状で非常に鋭い。
全長最大1m60cmほど、自分よりも大きい生物を襲い
捕食することもある。
ヘラツノザメ
出典 – https://sharkrayresearch.weebly.com/
生息水深は300m~800m
全長最大 1m50cm
吻の部分がへらのようになっていることが
ヘラツノザメという名前の由来。
日本の相模湾や駿河湾でよく捕獲される深海サメの種類。
肝臓は化粧品や健康食品の原料として利用されている。
ノコギリザメ
出典 – https://commons.wikimedia.org/
生息水深は10m~800m
全長最大 1m50cm
頭部がノゴギリの歯のようにみえる</ b>、サメとは思えない独特の姿。
この特徴的な姿ですぐに判別できる。
ノコギリザメはサメにそなわっているロレンチーニ器官が、発達
しており、餌の小さな魚やイカ、甲殻類を見つけ
特徴のノコギリ歯で切り餌を捕食します。
アブラツノザメ
出典 – https://www.fishbase.org/
生息水深は0m~900m以上
アブラツノザメの分布は広く世界各地に分布する。
グリーンランドからアルゼンチン、アイスランドからモロッコまで
の東西大西洋。
地中海、黒海、ベーリング海、チリ
朝鮮半島から南オーストラリアまでの東西太平洋。
寒冷な海域を好み、ときに湾内や入り江などでもみられるサメ。
冷水域で生息し、15度以上の水温に耐えることができない。
アブラツノザメの体長は平均的に80cm~110cm、大きい個体で160cmほど
なので小さく人間に対してそれほどの危険性はない。
特徴は背が灰褐色に白いスポットがまばらに入り腹部は白色。
2本の背ビレには大きな棘がある。
アブラツノザメはサメの中でも珍しく、集団で回遊する習性をもつ。
その数は多く、ときには数千匹の群れをみられる。
サメは主に単独行動の種類が多く、群れるのは珍しい。
他の群れるサメは、アカシュモクザメ、ネズミザメ、イコクエイラクブカ。
分布も広く、現在は漁獲量の増加により、個体の減少が多くみられる。
サメの中でも特別な生態で、妊娠期間が最長2年ほどもあるサメ。
人間の妊娠期間でも平均的に266日と1年を満たない期間であることを
考えるとかなり長い期間であることがうかがえると思う。
他のサメで妊娠期間が長いものはラブカでで最長3年半ある
ラブカは全ての脊椎動物の中ではもっとも長い妊娠期間をもつ。
アブラツノザメ以外の胎生種のサメでも比較的、長い妊娠期間をもつ。
例をあげてみると
エイラクブカ
ホシザメ
シロザメ
メジロザメ
ヨシキリザメ
アカシュモクザメ
などのサメでは妊娠期間が十か月〜1年近くある。
イコクエイラクブカ
分布 大西洋、太平洋、地中海
表層から水深800mほどまで、主に沿岸域に生息する。
体長 1,2m~1.4m 大きい個体で2mとサイズは小さいサメ
イコクエイラクブカは長寿なサメで非常に寿命が長い</ b>、50年ほど生きるサメ。
吻は長く、目は楕円形。
胸ビレ、背レビの端が少しだけ白く縁どられている。
歯は三角形に近く、側面にだけ鋸歯縁をそなえもつ、餌は雑食で
かなりいろいろなものを捕食する。
魚類、甲殻類、頭足類を主に食べている。
イコクエイラクブカは群れで行動することも多い</ b> </ b></ b>。
他のサメではアブラツノザメ、アカシュモクザメ、ネズミザメ(モウカザメ)などが群れで行動する。
全海域で乱獲されているため、絶滅が危惧されているサメの一つ。
エドアブラザメ
出典 – https://commons.wikimedia.org/
生息水深は200m~1000m
全長は最大1m40cm、平均は1mとそれほど大きくない
小型の深海サメの種類。
体と比較すると、大きな頭をもつエドアブラザメ</ b> </ b></ b>。
2016年3月17日に三津シーパラダイスでも
飼育されている
カグラザメ
出典 – https://commons.wikimedia.org/
生息水深は200m~2000m
全長が4m80cmと深海のサメにしては大きくなる種類。
姿はシンプルで深海魚を思わせる姿、水圧に耐えれるためか
体は非常に頑丈にできている。
貪欲で、貝類、海産哺乳類までも食することがある。
水族館でも何件か展示されていたことがあるようだ。
フジクジラ
出典 – https://carnivoraforum.com/
生息水深は200m~1300m
小型の深海サメの種類。
サイズは最大でも40cm程度の大きさ。
生きた個体は綺麗な藤色の姿をしているのが
名前の由来。
小さく水圧の変化に弱いのか、水揚げされても弱っている
ことが多く、水族館でもほとんど飼育されていない。
ラブカ
出典 – https://en.wikipedia.org/
生息水深は120m〜1500m。
全長最大2m。
サメというよりもウナギなどに近いような姿を
しており、泳ぐ姿も似ている。
しかし、歯は鋭く顔の部分はサメといった雰囲気を持つ。
カグラザメ目ラブカ科の海産魚、ラブカ科の魚は世界で
見つけられているものでは1科1種のみの深海サメ。
地中海を除くほぼ全海洋に分布する。
日本近海でも網などにかかる、場所は
銚子沖、伊豆諸島近海、相模灘、駿河湾、熊野灘などで
見つけられている。
ラブカは駿河湾ではサクラエビ網などにかかるが
食用としてはほとんど利用されていない。
サメの種類であるが、サメ肌のような表皮をもっておらず
手触りの良い羅紗(ポルトガルの毛織物ラーシャ)のような肌をしているサメ。
ラブカという名前は和名を漢字で記載されているのは羅鱶で
羅紗のような肌をもつことが由来とされている。
別名は「ウナギザメ」
ラブカの肌などの感触を除いて外見だけを遠目からみるかぎりでは
ウナギのような姿に思えるサメです。
背レビはひとつのみで、腹ビレと同じように体の後半部についている
この特徴がウナギを思わせる。
泳ぐ姿もウナギのような泳ぎ方で、細い体をくねくねとさせて泳ぐ。
しかし、歯は鋭く顔の部分はサメといった雰囲気をあわせ持つ。
ラブカの他の地方によっての呼び名であれば
カイマンリュウ、マムシ。トカゲなどとそのサメのような顔つきの恐ろしさを
表現したような呼び方が多い。
現生のサメ種類の中で、カグラザメとともにもっとも原始的な
サメの一つで生きている化石などといわれている。
ラブカの妊娠期間は全ての脊椎動物より長い3年半の可能性が
あると解明されてきている。
誕生時の大きさは全長60cmくらいで、胎児期にはすでに鰓弁が鰓孔から露出する。
姿もほとんど大きいサイズの個体と変わらないような姿で産まれてくる。
4月下旬から7月下旬に子を産む.、一度の胎児数は6〜12尾。
他のサメで妊娠期間が長いものはアブラツノザメで最長2年ある。
身近な人間の妊娠期間は平均的に266日と1年を満たない期間
比較するとラブカの妊娠期間は3年半で人間の約5倍に近い。
非常に長い期間であることがうかがえる。
サメの種類は数をすくなく産み、大きいサイズで生まれてすぐに
捕食者になること種を維持しているものが多い。
しかし多くが人間に漁獲されることによって、数をすくなく産むことが
絶滅の一つの要因ともなっている。
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