魚へんの漢字一覧
魚偏の漢字の一覧、漢字の簡単な由
まとめて掲載しているページです。
気になるものだけチェックしてみてください。
魚偏の漢字、魚偏というのは「うおへん」
と呼ぶのが正しいようです。
魚偏の漢字というのは、どのぐらいの数が
あるのかといいますと中国の辞書によれば820もの
魚偏の漢字があるとされている。
すべての魚偏の漢字が日本で使用されるという訳で
はないですがかなりの数。
日本の文化といえる寿司を食べた時などは
多くの魚の『名前や味』に触れることもあり
気になる人も多いのではないでしょうか。
単に魚へんの漢字と魚だけを知っていても。
何が由来?などと聞かれることもあるかもしれません
そんな時の為に由来もまとめておきました。
多くの漢字を覚える場合にも、由来からイメージを知ることで
長期記憶に結びつけやすいともされています。
()内は魚や生物の読み方
ア行
魚へん 利 鯏(アサリ)
魚へん 并 鮩(アミ)
魚へん 参 鯵(アジ)
魚へん 完 鯇(アメノウオ)
魚へん 荒(アラ)
魚へん 占 鮎(アユ)
魚へん 包 鮑(アワビ)
魚へん 安 康(アンコウ)
魚へん 鬼(イトウ)
魚へん 少 魦(イサザ)
魚へん 高(イセエビ)
魚へん 甫 鯆(イルカ)
魚へん 尤 魷(イカ)
魚へん 弱 鰯(イワシ)
魚へん 未 鮇(イワナ)
魚へん 曼 鰻(ウナギ)
魚へん 元 魭(ウミガメ)
魚へん 成 鯎(ウグイ)
魚へん 單 鱓(ウツボ)
魚へん 覃 鱏(エイ)
魚へん 曾 鰌(エソ)
魚へん 叚 鰕(エビ)
魚へん 此 魮(エツ)
魚へん 入 魞(エリ)
魚へん 扁 鯿(オシキウオ)
鰧(オコゼ)
カ行
魚へん 希 鯑(カズノコ)
魚へん 尋 鱘(カジキ)
魚へん 硬 鰹(カツオ)
魚へん 秋 鰍(カジカ)
魚 へん 解 䲒(蟹 蠏)(カニ)
魚へん 葉 鰈(カレイ)
魚へん 帀 魳(カマス)
魚へん 巤 鱲(カラスミ)
魚へん 皮 鮍(カワハギ)
魚へん 喜 鱚(キス)
魚へん 京 鯨(クジラ)
魚へん 冬 鮗(コノシロ)
魚へん 里 鯉(コイ)
魚へん 印 鮣(コバンザメ)
魚へん 伏・甬 (コチ)
魚へん 系 昆 鯀(コン)
サ行
魚へん 圭 鮭(サケ)
魚へん 交 鮫(サメ)
魚へん 箴 鱵(サヨリ)
魚へん 制 鯯(サッパ)
魚へん 青 鯖(サバ)
魚へん 春 鰆(サワラ)
魚へん 祭 鰶(サンマ)
魚へん 暑 鱪(シイラ)
魚へん 盧 鱸(スズキ)
魚へん 白 鮊(シラウオ)
魚へん 虎 鯱(シャチ)
魚へん 底 鯳(スケトウダラ)
魚へん 敝 鱉(スッポン)
魚へん 走 鯐(スバシリ)
魚へん 易 鯣(スルメ)
魚へん 夌 鯪(センザンコウ)
魚へん 羊 鮮(セン)
タ行
魚へん 周 鯛(タイ)
魚へん 章 鱆(タコ)
魚へん 刀 魛(タチウオ)
魚へん 興 鱮(タナゴ)
魚へん 雪 鱈(タラ)
魚へん 幼 䱂(ダボハゼ)
魚へん 亶 鱣(チョウザメ)
魚へん 酓 鰌(ドジョウ)
魚へん 毛 魹(トド)
魚へん 飛(トビウオ)
ナ行
魚へん 念 鯰(ナマズ)
魚へん 取(ニゴイ)
魚へん 非・柬(ニシン)
魚へん 免 鮸(ニベ)
魚へん 人(ニンギョ)
ハ行
魚へん 沙 鯊(ハゼ)
魚へん 神・雷(ハタハタ)
魚へん 反 魬(ハマチ)
魚へん 時 鰣(ハス)
魚へん 旨 鮨(ハタ)
魚へん 豊 鱧(ハモ)
魚へん 而 鮞(ハララゴ)
魚へん 危 鮠 鰷(ハヤ)
魚へん 氷(ヒウオ)
魚へん 皇 鰉(ヒガイ)
魚へん 是 鯷(ヒシコ)
魚へん 平 鮃(ヒラメ)
魚へん 及 魥(ヒモノ)
魚へん 复 鰒(フグ)
魚へん 養 鱶(フカ)
魚へん 付 鮒(フナ)
魚へん 師(ブリ)
魚へん 花(ホッケ)
魚へん 甾 鯔(ボラ)
マ行
魚へん 有 鮪(マグロ)
魚へん 尊 鱒(マス)
魚へん 方 魴(マトウダイ)
魚へん 昌 鯧(マナガツオ)
魚へん 坴 鯥(ムツ)
魚へん 室 鰘(ムロアジ)
魚へん 休 鮴(メバル)
ヤ行
魚へん 鰥(やもお)
ワ行
魚へん 若 鰙(ワカサギ)
魚へん 固 鯝(ワダカ)
魚へん 咢 鰐(ワニ)
これ以降は魚へんの漢字一覧すべての
由来です。
魚へん 利 鯏(アサリ)
貝類のなかでは有名なあさり、魚偏漢字だけでは
なく虫偏のものもあります。
あさりは小石混じりの砂泥底を好み、砂浜などでも
良くとれる。潮干狩りなどでもおなじみで、夏に
砂浜であさり潮干狩りをやった事を覚えている方も多いはず。
実はあの潮干狩りの光景が、あさり「鯏」の由来となる。
魚へんの鯏の由来はあさる(漁る)ということ
からきているという説があり。
これはアサリを砂浜などで見つける際に
砂を掘るなどして漁っていることが
イメージとなった。
魚へん 并 鮩(アミ)
調味料などとしてよく使われるアミは「醤蝦」
とも書かれる。鮩の漢字の由来には詳しいものは
見つからず。
簡単に推測すると鮩 のつくり「并」には
「あわせる」「ならぶ」「ならべる」「ならびに」
などのイメージがあり、数が多く多量にならんでいる
ことや、調味料などと合わせて使われることも
多い生物だったので并がつけられたの
ではないかと考えられる。
魚へん 参 鯵(アジ)
アジの漢字の由来は諸説あり。
鯵は春頃が旬の時期、一番おいしい季節が旧暦の3月
ということで数字の「参」が使われたという説
鰺の味が一番の時期ということで、あまりに
これも単純な感じがしますが名前の語源からすると
十分に考えられそう。
次に、アジは群れを成して泳ぐ魚ということから
参加・参集の参(旧字体は參)を利用したと考えられる説。
元々は鯵の漢字も旧字体の「鰺」という漢字が使われていた。
參=多くのものが入り混じるという意味と
魚偏に參を組あわせて、鯵という漢字に。
最後に、鯵は魚へんに喿(そう)の誤字であったという説
喿は「なまぐさい」という意を表す。
「魚+音符參(もとは操の右側の字だったのを書き誤ったもの)」。
出典 – 学研日本語大辞典 鰺
魚へん 完 鯇(アメノウオ)
アメノウオとは日本ではビワマスの別名。
本来鯇の漢字は中国ではアジア大陸に
生息する草魚という魚のもののようだ。
アメノウオの漢字表記を鯇としたのは
日本人が創作したのではなく、中国の鯇の読み違いに
よるものと思われる。というのは『本草綱目』(明、李時珍)で
鯇の別名が草魚になっている通り、現代のソウギョが鯇の本体
なのである。
出典 – 『魚偏漢字の話』 鯇 アメノウオ
このソウギョという魚、中国では割と多い
ようで、釣り具などの写真とともにかなり大型の
釣れたソウギョが掲載されている。
ソウギョは写真などでみても良くわかる
丸々とぶっとく成長する、水草などを食べる
雑食性の魚でかなり貪欲。
鯇の由来は、ソウギョが丸々とした姿から
つくり完の「円い」というイメージに基づく。
魚へん 荒(アラ)
魚へん荒と書いてスズキにやや似る
アラという魚。
漢字の由来はアラと特徴の
性質が荒いことから
「荒い」⇒「魚へん 荒」魚偏のつくりに荒が添えられて
ができたという説があり。
次に昔の資料ではアラという魚は不味かったと
かかれている。
現代ではちゃんこ鍋などの食材にされることが多い。
アラが魚の「粗」のように扱われる
ことが多かったらしい。
漢字の「荒」と「粗」は混用などもされることも
多かったようだ
。
アラという魚は粗のような
扱いで使われることからつくりに荒が
つけられたという説もあり。
魚へん 占 鮎(アユ)
淡水魚の川魚では一般的なものだが現代では
多くは食されることはないかと思う。
鮎の漢字の由来は、
「アユが占いに」偶然出てきた魚ということで
魚へんに占と書かれた。
元々は「ナマズ」を指す漢字として使われた鮎。
占いに鮎が関係したことからアユの漢字に代わって
いったようだ。
説のひとつに、神武天皇が大和に進撃したとき
苦戦に陥ったときに
「戦に勝てるなら、魚よ浮き上がれ」
と酒ツボを川に沈めて占いとたてたときに
浮かび上がってきた魚がアユだったという説。
次に、神宮天皇が外国に進軍したとき、釣りで
勝敗を占い
「掛かった魚が鮎」
だということで、魚偏に占いの漢字が
当てられたという説もあり。
魚へん 包 鮑(アワビ)
魚へん包と書いて「鮑」アワビ
割と高級な食材。
虫偏の「蚫」もあり。
魚偏の「鮑」のほうが古くから使われていた。
漢字の由来は「アワビが殻に包まれて岩に付着している姿が
貝の身を包まれたように見える」
そこからから魚偏に包と書いた
という説があり。
「鮑」という漢字は他の魚にも
使われていたことがある。
「ナマズ」「マス」「コノシロ」など。
もとは腹を開いて塩漬けした魚などに
使われていた漢字のようだ。
魚へん 安 康(アンコウ)
魚へん安康 アンコウの漢字
漢字二文字で「鮟鱇」と書くのが一般的。
漢字の由来は
『節用集』に載っている
鮟鱇のつくり「安」「康」は
食べると美味しい上に、健康にもよいという
ことから出きたという説。
また、アンコウの姿などから
鮟のつくり「安」は伏すというイメージがあり。
やすんずる(やすんず)。おだやかで落ち着く。また、静かに
落ち着ける。安定させる。
アンコウは海底に生息する魚で、ほとんどが
伏したように生活して、腹が平らで底についている魚で
魚偏つくりに安という漢字がつけられた。
魚へん 鬼(イトウ)
イトウはサケ科では他の3属(サケ,ニジマス,イワナ)に比べて
原始的な魚。
イトウは現在は絶滅危惧種に瀕していて
それほど捕れる魚ではありませんが生息数が
多いころに関しては、2mにまで
成長した個体も見つかった事もあるよう。
サケ科の中では1,5mとかなり大型に成長する上
非常に獰猛で、ヘビやネズミを食べ
さらには陸上の小動物まで食べることもあり。
このようにイトウが
「動物まで食べる獰猛な特徴をとらえ」
鬼のイメージをあてて
イトウの漢字が作られたというのが一般的。
魚へん 少 魦(イサザ)
イサザ 魦は、底性のハゼを表す漢字で
生態が漢字の由来。
「少」は沙(すな)の省略形の漢字で、イサザは底に
いて砂を吹き上げる小魚
そこから魦という漢字があてられた。
沙は、細かくばらばらに砕けた石が集まったすな。
非常に細かい石などのイメージを表す。
魚へん 高(イセエビ)
漢字一文字以外は、伊勢鰕、紅鰕、志摩鰕など
他の異名も多い。
イセエビの語源の由来は
「伊勢より多く来る故、伊勢鰕と号す」『大和本草』
漢字の由来はこれとは異なる。
イセエビはエビの種類の中でも
特に大型になる種類の一つ。
この特徴から、つくりに「高」と書かれる
説があり。
中国では魚偏に高と書く漢字は「オオエビ」
を表す。
日本に漢字が伝わった際に
オオエビ = イセエビ
と意味がとられて、そのまま魚偏に高
という漢字になったようだ。
他にも国内ではゴシキエビ、ニシキエビ
などが大型になるが、優先的にイセエビが魚へんに
高とつけられた。
魚へん 甫 鯆(イルカ)
魚へん甫と書いて「鯆」イルカ
海豚と書かれることも多い。
鯆の漢字はイルカが子を「はぐくむ」ということが由来
となっているという。
『魚へん漢字講座』
甫という漢字の会意は
「屮(芽ばえ)+田」で、苗を育てる畑、つまり苗代(ナワシロ)のこと。
苗を育てるイメージが一致しているので
つけられたという事なのだろう。
魚へん 尤(イカ)
魚へん尤と書いて「魷」イカ
イカに魚偏に尤で魷の漢字がつけられた
由来は古典などからみつからなかったので
少し簡単に推測してみると。
尤の漢字の会意は
「手のひじ+―印」で、手のある部分に、いぼやお
できなど、思わぬ事故の生じたことを示すらしい。
イカの触手の部分が
「手のある部分に、いぼやおできなど」に一致していること。
(イカの水中画像)
魚へん 弱(イワシ)
魚へん弱と書いて「鰯」イワシ
これは単純にほとんどの人が想像するように
弱いというイメージからきているという説があり。
名前の語源のように
ヨワシ⇒イワシ
という形で、つくりに弱いという漢字が
出来たとされている。
弱いような魚は他にも数多くいるが、先に
優先権を与えられた魚なので
この「鰯」という漢字がイワシにあてられたとされている。
魚へん 未 鮇(イワナ)
魚へん未と書いて「鮇」イワナ
イワナが魚偏に未と書く由来は
未確認。
古典などから見つからなかったので
イワナの特徴とつくりの「未」から
簡単に推測してみる。
漢字の未は
名詞 十二支の羊などを表す
ひつじ【未】
①十二支の八番目。羊(ヒツジ)。「未年」
②昔の時刻の名。現在の午後二時、または、その前後の二時間。
③昔の方角の名。南から西へ三〇度の方向。
副詞 。その行為・経験・状態などが、まだ熟していないことをあらわす否定のことば。
まだ…しない。まだ…でない。
木のまだのびきらない部分を描いたもので
まだ…していないの意をあらわすよう。
いまひとつイワナの特徴と合うようなものは
無い、イワナは警戒心が強い魚で、岩の間に隠れていて
なかなかお目にかかれない、ということで
未が与えられたというのが単純な考えの一つ。
次に、イワナは地方によりそれぞれ独立した分布をする
同一種内の別系群と考えられている。
海に下りずに交配が続けばそのように地方特有の魚に
なることも多い、淡水魚では同じ種類でも西日本と東日本
などでは特徴が異なる魚も多い。
「同一種内の別系群」というものが識別しきれていない
ということでつくりに未が与えられたのかもしれない。
魚へん 曼 鰻(ウナギ)
漢字の鰻は、ウナギの細ながい姿の特徴が
そのまま由来となっているという説があり。
鰻のつくり、曼という字には
「ほそながい」「長くのびる」
などの意があり。
曼は蔓(つる)などの漢字にも使われるので
イメージは想像しやすい。
他にも細長い魚はいるが、ウナギは
昔からよく親しまれて
いた魚で先に付けられたようだ。
魚へん 元 魭(ウミガメ)
魭の漢字がウミガメに使われているのは
そのまま甲羅などの姿の特徴を
捉えているという説があり。
元の字の意味には
丸いというような象徴的なイメージが
含まれている。
ウミガメの姿が、主に甲羅が丸いということで
この字があてられたとされている。
ウミガメは甲羅以外も、四肢が櫂(かい)状に扁平となっているので
イメージ的によくあっているように思える。
魚へん 成 鯎(ウグイ)
魚へん成と書いて「鯎」ウグイ
詳しい由来は不明、それらしき
ものは古典から見つからず。
鯎の漢字の由来を少し推測してみると
ウグイという魚は味があまりよくなく
料理される時によく、捌いた身をすりおろし
団子のようにして食べられるということが多い。
鯎のつくりの「成」は
「戈(ほこ)+音符丁」から成り立っていて
丁が、「打ってまとめ固める」意を含む。
団子のように、うってまとめて固める
などによく使われることから、魚偏に成などと
書かれるようになったのではと考えることもできそうだ。
魚へん 覃 鱏(エイ)
エイの漢字 鱏、鱝、鰩などと表記されていた
ことがある。
日本で一般的に使われるのは「鱏」の
魚偏に覃(どん)。
海鰩魚(かいようぎょ)とも書く。
エイは昔どのように記されていたのかというと
「関東に鳥エイという魚あり。西州にもあり。異物なり。
その形鳥の翼を張るが如く、頭も鳥に似たり。背は黒くして
海鱛の黒皮の如く、腹白し。大なるは方五尺、尾長きこと
六尺、七尺に余るあり。耳広くして両傍に貫き通す」
『大和本草』
いまいち詳しくは判別できていなかった様子。
他の古典などをみても、エイ=飛ぶものというものが多い。
漢字で鰩や海鰩魚と書くのもここからきているのだろう。
エイはあまり知られていず日本では魚の読み違いで
エイの漢字がつけられた由来と言われている。
鱏の漢字は中国では淡水のハシナガチョウザメと
いう魚だったようだ。
鱏をエイと読んだのは読み違いで、本当はチョウザメ目ヘラチョウザメ科
の淡水魚 psephurus gladius(ハシナガチョウザメ)である。
長江とミシシッピー川にだけ棲むという珍魚である。全長は二メートルほど
で、背部が灰褐色、腹部が白い。目が小さく、鼻がきわめて長い
ことから、象魚の異名がある。古代、吻の干し肉が珍重され、鹿頭と
称された。
鱏は『文選』などの古典にもしばしば登場し、
「鱏魚は江中に出づ。頭と身は半生なり」
と注釈がある。
出典 – 『魚偏漢字の話』
ハシナガチョウザメやエイは同じく
海の底の方で生活する。
鱏の魚偏のつくり「覃」は
ふかい(ふかし)。ずっしりと下にふかい。などの
意があり。
潭(タン)(ふかい水のたまったふち)・深(ふかい)・沈と同系。
チョウザメが海底で棲息する様子をとらえて「鱏」という
漢字が充てられた。
それが日本では読み違えられてエイにつけられた。
魚へん 曾 鰌(エソ)
エソは別名では狗母魚などとも書く。
エソは昔「恵曾」とされていた、
『本朝食鑑』などではそのように書かれている。
漢字一文字の場合も単純に
恵曾の「曾」に魚編を合わせたという
のが漢字の由来とされている。
魚へん 此 魮(エツ)
魚へん此と書いて「魮」エツ
漢字2文字では「斉魚」や「魚偏に薺」
などとも書く。
漢字の由来はエツ姿などから
エツの見た目は身は薄くなっていて
頭が尖り先細くなり長い、刀のような
形をした魚。
つくりの「此」(シ)は
嘴のように細長くとんがっている
意味もあり。
ここから魚偏に此の字が充てられた
という説があり。
魚へん 叚 鰕(エビ)
魚へん叚と書いて「鰕」エビ
漢字の由来はエビの姿から来ているとされて
鰕の漢字のつくり、「叚」は
「覆った」というイメージがあり。
エビの体を覆っている殻の特徴を捉え
魚へんに叚とされたよう。
以下が叚という漢字の字源。
不詳(説文解字等。「又(=手)」は動作を表す意符であり、この他は「二」印のものを覆い隠す様を表す会意文字(藤堂)、山から切り出した磨く前の玉の原石(白川)などの説あり。「覆った」「本物でない」「余分な」「余計な」「一時的な」「(本物より)大きい」の意がある。「借りる・貸す」の意は「一時的にやり取りすることからか。」
出典 – https://ja.wiktionary.org/wiki/
魚へん 入 魞(エリ)
この漢字は中国から伝わった漢字では
なく日本でつくられた「国字」と
よばれるもの。
「えり」という仕掛けは一般的に岸から直角に
沖の方へ竹簀を並べて、最後の部分を逆V字型に設置した
定置漁具の一種。
岸にそって仕掛け付近に回遊してきた魚が「ハリズ」と呼ばれる
竹の障壁にぶつかり誘導されて、最後の部分を逆V字型
の狭い「ツボ」という部分に入り込み、出れなくなる。
このように魞の由来は魚を「入れる」為の仕掛けで
特徴どおりにつくりに「入」付けられたとされている。
魚へん 單 鱓(ウツボ)
ヤツメウナギなどとも読み違えられることも
あった。『訓蒙図彙』
日本では『本草網目啓蒙』(1803年)
以降 鱓の訓が ウツボとされる。
漢字の由来は元をたどれば、中国の漢字『鱓』
タウナギからの読み違えのようだ。
ここで中国に目を転じると、中国の古典に出る鱓は、ウナギでもヤツメウナギでもウツボ
でもない。結論を先にいうと、タウナギ目タウナギ科の淡水魚タウナギ(Monopterusalbus)である。
ここからタウナギの話になる。『爾雅翼』(南宋、羅願)に「蛇に似て、鱗なし。黄質にして黒
文。体に涎沫あり。水岸の泥窟の中に生じ、所在これあり」と
いう記述がある。
出典 – 『魚偏漢字の話』鱓 ウツボ
タウナギは中国では蛇のイメージ強く、そこから
單(単)「平ら」のイメージを合わせて
魚偏に單と書かれたのが由来とされている。
魚へん 扁 鯿(オシキウオ)
漢字の由来は単純にオシキウオがフナに似て
身が広くてへんぺいな事から
きているという説が一般的。
扁の意は
「名詞」 うすくたいらな名札。門口にはりつける戸籍票。転じて、うすくたいらな額のこと。
「名詞」 漢字の字形の構成要素で、左右にわけられる左側の部分。さんずいなど。多くは、その字の
意味する物事の種別をあらわす。▽右側の部分を旁(ボウ)・(ツクリ)という。《同義語》⇒偏。「扁旁(ヘンボウ)(=偏傍)」
「形容詞」たいらか(たひらかなり)。うすい(うすし)。
たいらでうすい。《類義語》⇒片。「扁平(ヘンペイ)」「扁舟(ヘンシュウ)」
薄い、平らでうすいなどの意で。
オシキウオが平たい姿をしていること
からつけられた。
鰧(オコゼ)
「鰧」の由来は
昔は中国では別の魚に使われている
漢字だった。
それをを間違ってオコゼに使っていたものが
現代まで使われているようだ、中国でも現代は鰧は
オコゼを表す。
中国の古典『山海経』に出てくる。
「合水、その陰より出でて、北流して洛に注ぐ。
鰧魚多し。状は鱖の如く、きに居る。蒼文赤尾」
とここに出てくる魚はコウライケツギョという魚で
この魚と間違って、オコゼに「鰧」の漢字を
つけてしまったようだ。
日本に棲息しないケツギョという魚である。鰧はこれの仲間
で、ニーダム(英名の科学史家)や郭郛はsiniperca scherzeri(コウライケツギョ)
に同定している。体は青黄色で、黒色の不規則な斑紋がある魚だという。
これが鰧の正体であった。語源は背びれに硬い棘がある姿を「朕」の「上に上がる」のイメージで
捉えたものであろう。
出典 – 『魚偏漢字の話』鰧 オコゼ
魚偏漢字一覧 由来 カ
魚へん 希 鯑(カズノコ)
昔『同文通考』から、かずのこを鯑と
一字で書くようになっている。
鯑のつくり「希」は「晞」の漢字の
省略形となる。
晞という字には
「日光が通って水分がなくなる」
「乾かす」
という意があり。
《意味》
__{動詞・形容詞}かわく。日光が通って水分がなくなる。また、そのさま。「白露未晞=白露いまだ晞かず」〔詩経・秦風・蒹葭〕「薤上露、何易晞=薤上の露、何ぞ晞き易き」〔古楽府・薤露歌〕
出典 – 学研日本語大辞典 晞
カズノコを作る際、ニシンの卵を乾燥させて
作るという特徴から
魚偏に希という漢字があてられたようだ。
魚へん 尋 鱘(カジキ)
魚へん尋 覃と書いて「鱘」「鱏」
大型魚のカジキに使われた漢字。
どちらの漢字も他の魚にも使われている。
「鱘 魚へん尋(ジン)はチョウザメ」に
「鱏 魚へん覃(ドン)はエイ」に使われた漢字
「鱘」「鱏」これら二つの漢字がカジキに
使われていたのは
他の魚と間違えた日本での勘違いから
来ていると考えられている。
鱏をエイと読むのは誤りであり、鱏とは鱘のことだ
『和漢才図絵』(1712年)
とこんがらがっている。
鱏の漢字は昔、中国ではハシナガチョウザメとされて
これを日本でエイやカジキ読み違いしたとされている。
ハシナガチョウザメ吻の部分がとがっていて割と
シルエットなどだけでみると姿がカジキと似ている。
現代のようにカラー写真などもない時代、モノクロの絵や
文字だけでは間違ってしまうのもしかたのない話。
鱘の漢字については、これは姿からの誤解ではなく
記事を読み違えたことによるよう。
ついでながら鱘の和訓について符言する。右に出たカジキの訓は『和漢才図絵』が
加地止乎之(カヂトヲシ)と呼んでから起こったものである。これは『本草綱目』(明、理
時珍)の「口が鉄兜の頭に似る」という記事を根拠にして、嘴が鉄のように鋭く、船の
梶木(船底)をも突き通すほどだということから名のついたカジキに同定したものだが、
『本草綱目』の記事は鱏(ハシナガチョウザメ)の説明であって、まったくの誤解である。
出典 – 『魚偏漢字の話』 鱏 エイ
魚へん 硬 鰹(カツオ)
カツオの語源は色々あり。
『本朝食鑑』にこう記されている
「延嬉式に硬魚と謂ふは、この魚乾曝すれば
則ち極めて堅硬なり、故にこれを名ずく」
鰹節のように焼くと身が固くなることから
堅魚 カタウオ がカツオになっていったという説。
漢字の由来もこれと同じように
「焼くと硬い魚」であることに対して
堅魚が変化したものが、魚へんに堅と書き鰹とされた
という説があり。
魚へん 秋 鰍(カジカ)
漢字は魚へん秋と書いて「鰍」カジカ
一般的にはあまり聞きなれないマイナーな魚。
カジカはゴリ料理などの金沢の郷土料理で有名。
漢字の由来は「河鹿蛙(カジカガエル)と誤認」された
所から来ている。
魚偏に秋と書くのは、魚の鰍がよく取れる地域では
秋になってよく鳴くことから。
「蛙の河鹿が鳴く」ことで、間違って鰍も鳴いて
いると思われ魚偏に秋という漢字がつけられたと
されている。
魚 へん 解 䲒(蟹 蠏)(カニ)
魚へん解と書いて「䲒」カニの
漢字、カイと読む。
現代日本では虫偏の蟹が一般的に使われる。
この漢字の異字体の蠏もあり。
カニが魚偏に解(蟹 蠏)と漢字で書く由来は
固い殻に覆われていて、五対の足や
ハサミがあり、それらを別々に分解することができるので
つくりに解がついているという説が一般的。
虫+音符解(別々に分解する)。からだの各部分がばらばらに分解するかに。
出典 – 学研日本語大辞典 蟹
魚へん 葉(カレイ)
鰈の姿形をとらえて薄いという
ことから、葉のように薄い魚
ということで魚へんに葉とされる。
葉という漢字は「薄い」というイメージを
もつ漢字。
会意兼形声。下部の字は、三枚の葉が木の上にある姿を描いた象形文字。葉はそれを
音符とし、艸を加えた字で、薄く平らな葉っぱのこと。薄っぺらなの意を含む
出典 – 学研日本語大辞典 葉
魚へん 帀 魳(カマス)
カマスは機織り道具の杼(梭)に形がいることから
「魣」(魚へんに予)
「梭魚」
「梭子魚」
とも書かれることもある
このあたりにも漢字の由来になるものがありそうだが、それらは
古典からは見当たらず。
『運歩色葉集』(1548年)では
魚へんに市の漢字がカマスと読まれている。
魳の漢字の由来は魚へんに市という漢字が崩れて
魳になったのではないかという説があり。
魚へん 巤 鱲(カラスミ)
魚へん巤(りょう)と書いて「鱲」カラスミ
この漢字の由来は出てこず
簡単に推測してみると
鱲の漢字 つくり「巤」は
鬣(たてがみ)の原字。
意は獣の頭上のむらがり生えた毛を描いた字。
獵(猟)や臘にも含まれる。
昔の筆は獣の毛などで作られていた
ことから、中国伝来の墨「唐墨」などとの
関係などからか。
現在のカラスミは赤茶色のような色をしているが
昔は冷凍技術がなかったために
常温保存していたようで、カラスミは色までも
黒い唐墨に似ていたとされている。
魚へん 皮 鮍(カワハギ)
カワハギの漢字の由来は
カワハギを料理するときに表皮を剥ぐことから。
魚偏に皮と書いて「鮍」の字が
充てられているとされている。
見た目の姿や、生体などよりも食する時の
ことに関して、日本で漢字がつけられるのも
魚ではよくある。
魚へん 喜(キス)
鱚は成長しても30cm程度とあまり大きくならず
子供らしい魚ということで、よく簡単に捕れる魚だがそれほど
重要視されてなかったのか
昔から鱚という漢字は使われていなかったようだ
漢字の由来の一つとして、キスの「キ」の字を表す
「喜」を魚へんに組み合わせて出来たものという説が多い。
喜というのが単なる語呂合わせか、なんらかの
意味があってつけられたのかは気になる所だが、それらの
詳しい資料はあらず。
魚へん 京 鯨(クジラ)
魚へん京と書いて「鯨」クジラ
魚偏のつくりに使われる「京」という文字には
高い丘という意味があり。
姿が丘のような高くて
大きな魚ということでクジラに
魚偏と京が使われた。
{名詞・形容詞}小高い丘。大きくて高い。《同義語》⇒景(ケイ)。「京丘(ケイキュウ)(=景丘。高い丘)」
出典 – 学研日本語大辞典 京
魚へん 冬 鮗(コノシロ)
魚へん漢字でコノシロを表記する場合は
魚へんに冬 鮗
魚へんに祭 鰶
魚へんに傭 鱅
魚へんに制 鯯
など
魚へんに冬 鮗という漢字の由来は
冬が旬であるので、魚へんに冬と表すようだ。
コノシロは冬に大量に捕れ、旬であることもあるので
記されたと単純には考えられそうだ。
会意。「魚+冬」。冬のころが、しゅんになる魚であることをあらわす。
出典 – 学研日本語大百科事典 鮗
魚へん 里 鯉(コイ)
鯉の語源のひとつに恋話から、名前が
コイへとあてられたという説があり。
景行天皇が、女性に求婚したところ
その女性が恥じらってしまい身を隠したところに、池に
鯉を放して女性の関心を引きその女性と結ばれたと
いう恋話からコイという名前が付けられたなどの話。
コイの魚偏に里と書く由来は
鯉のウロコの特徴と里を
関連付けてとらえている。
まず、「一里は、三六町」ということで
コイのウロコは一行がおおよそ三十六鱗なので
ここから魚偏に里とつけられたという説。
実際は有孔鱗数が32~39枚くらいの範囲で、36枚の
個体が多く見られる。
ここから「六六鱗」などの別名もあったようだ。
次につくり「里」の意には
縦横にきちんと区画した田畑
「田(四角く区切りをつけた井田)+土」で、区切りの筋を入れて
整理された畑や居住地のこと。
などがあり、コイのウロコの輪郭の
筋目がはっきり見える魚なので里の字が
あてられたという説。
魚へん 伏・甬(コチ)
伏と書いて「鮲」
どちらもコチという魚の漢字
魚偏に伏というものは
そのままコチの姿見た目から来ている。
「伏」は
ふせる(ふす)。からだをぴったりと地につける。ひれふす。
などの意があり。
コチの海底でぴったりと地についている
ような様子から伏がつけられたとされる。
他には、コチは扁平である姿から
甬などにみたてられて「鯒」が
つけられたという説がある。
さらに、甬が鐘の柄を意味していて。
コチの姿が鐘の柄のような形の魚だからという
説。
魚へん 印 鮣(コバンザメ)
コバンザメの漢字の由来は特徴的な吸盤
を印み見立てたことによるもの。
鮣の漢字 つくりの印は
左は手、右はひざまずいた人。手で押さえて人を
ひざまずかせることをあらわすもので、
押さえつける意を含む。
抑の原字。のち、上から
押さえて印を押す意となった。
型を押しつけて、目じるしとなる形をつけたもの
などの意、コバンザメの吸盤が印のようにも
見えるので、鮣という漢字がつけられたという説がある。
魚へん 系 昆 鯀(コン)
魚へん系と書いて「鯀」
魚へんに昆(こん)で「鯤」
どちらもコンと読む。
鯀は中国では大魚に使われる漢字。
魚へん昆「鯤」も同じく
大魚に使われる漢字で、こちらは
はらご。はららご。魚のまるい卵。
などの魚の卵の意味ももつ。
中国では鯀の漢字はもやもやしてまるい想像上の
大魚に使われ。
中でも、かなり大きい魚を例えるときに使われる。
鯀は魚+系(つながり、仲間)を表し
魚の仲間の種類に見立てた怪物。
つくりの系は「渾」(コン)と同じく
(もやもやとしてまるく大きい)
混(もやもやとしてまるい)と同系。
怪物のように大きい魚を表す
際に鯀の漢字が使われたとされている。
魚偏漢字一覧 由来 サ行
魚へん 圭 鮭(サケ)
もともとはサケに充てられている
漢字は魚へんに「生」で鮏だった。
『本草和名』
『和名抄』
などには鮏の字で記されている。
もとは生臭い魚ということでつけられた
「鮏」だったがイメージが悪いということで
「鮭」へと変化していったとされている。
『新撰字鏡』あたりからは
魚偏に圭と書く「鮭」の字で記される
ように変わっている。
また、つくりの圭という漢字の意に
土を盛ることを示すものがあり。
鮭の多い地方では、河川の流域における固有の土器形式が
あるとされている。
これに関連付けて、魚偏に圭と変化されていったのでは
ないかということも考えられる。
魚へん 交 鮫(サメ)
漢字魚へん交と書いて「鮫」(サメ)。
漢字の由来は諸説あり。
主に人間の漁が原因で、絶滅危惧種のサメも
かなり多く存在する。
次に、中国には蛟(ミズチ)という竜に似た空想の動物が
いるので、そこから交という文字が来たという説もあり。
この蛟という動物は体をくねくねとくねらせて動くことで
鮫に似ているという説。
蛟はヘビに似ていて水中にすみ、角と足があり、毒気を
吐いて人を害するという空想の動物。
そして、「交」が上下の牙を交え、むきだす魚=サメと
いう説。
サメには、口を閉じていても常に歯をむき出しになっている
ような種類も中には存在する。
シロワニなどは口を半分あけて泳ぐという特徴を持つ。
最後に、鮫の皮は刀の鞘や柄を飾ることに使われたことから
その皮をもつものに「鮫」の字があてられたという説もあり。
魚へん 箴 鱵(サヨリ)
サヨリは別名「針魚」や「細魚」などがあり。
昔は漢字で「針魚」と書かれていた。
「箴」には針という意があり。
サヨリの漢名は「箴魚」と言ったようだ。
日本では「針魚」から自然に変化していき魚偏に箴と
いう漢字が充てられた。
『訓蒙図彙』(1666年)あたりから
「鱵」の漢字が使われはじめている。
魚へん 青 鯖(サバ)
鯖の漢字に使われるのは青の旧字体。
サバの青々とした姿を
現すのに相応しいので
魚へんに青の字つくりがあてられている。
日本では昔、サバの体色から「青魚」や「青花魚」とも
書かれたこともあった。
ここから変化していって、魚偏に青の「鯖」
の漢字がつけられたという説がある。
鯖という漢字は中国では元々、魚や鳥などの肉を混ぜ
つくった料理の名前でもある。
五侯鯖(ゴコウセイ)(漢の成帝のころ王氏五侯の珍しいよせなべ)
魚へん 制 鯯(サッパ)
また、コノシロを表す漢字
サッパは「コノシロと非常によく似ている」。
そのために同じ漢字が用いられたと
考えられる。
本来、中国では鯯の漢字はエツという
魚で、日本では間違ってつけられた漢字
とされている。
エツの絵
エツという魚だと、魚偏に制があてられた
由来にあてはまる。
エツの姿はナイフのようにとがっていて
身をそぎ落としたように細いような姿。
「制」は余分なものを削ぎ落とす
という意があり、姿と一致するような
漢字にあたる。
魚へん 春 鰆(サワラ)
サワラは春も含め4~7月にかけて産卵期であり
接岸することで、多くのサワラが捕れることにより
魚偏に春という字があてられているという説があり。
または、旬が春ということで魚偏に春と
いう字があてられたとされている。
しゅんが春なので,魚偏に春をつけ鰆(さわら)と書くようになったという。
出典 – 世界大百科事典 サワラ
魚へん祭と書いて「鰶」サンマ
または、コノシロという魚に使われて
いた漢字。
コノシロという魚は祭のお供えものに
利用されこの漢字がつけられたとされる。
サンマは昔、秋に大量に捕れる時期になると
大量に入荷されて、市場などでは
お祭り騒ぎのようになった。
この事が魚偏に祭と書く由来とされている。
昭和あたりの時代では、漁港などでサビキでよく釣れて
ニュースなどになったこともあるようだ。
魚へん 暑 鱪(シイラ)
頭が大きいような外見から「鬼頭魚」とも
漢字で書かれることもある。
漢字の由来はシンプルで
シイラが暑い海域に生息して
日本では暑い夏に旬、よく捕れることから
つくりに「暑」という字が
充てられ鱪という漢字がつくられた
と言われている。
シイラの活性水温はかなり高いとされている。
日本には真夏の熱い時期に接岸し釣れることも
多い。
魚へん 盧 鱸(スズキ)
スズキの漢字は魚偏に盧(ろ)と書き、鱸
漢字の由来はというと
鱸 魚偏の右側 盧(ろ)は黒いというイメージがある。
丸いつぼと、内部がうつろで暗い・黒いということに
関連するようだ。
丸いつぼというのは、スズキが口を開けた時は
非常に大きく、つぼのように大きいということに
イメージつけられていると思われる。
他にも右側に盧が使われる漢字は、黒い色をしたというものが多くある
大きくなるとスズキは黒い個体も
よくいる。
小さい個体は全体的に銀色が強いものが多い。
魚偏に盧というのはマルスズキに関しては
イメージがマッチしている漢字。
魚へん 白 鮊(シラウオ)
魚へん白と書いて「鮊」シラウオ
漢字の由来は、煮たりして料理された時などの見た目
そのまま白い魚ということで
魚偏に白と書かれたようです。
漢字の由来もまた、名前の由来と同じ
という事。
生きている時よりも料理されて食される
場合の姿のほうが、特徴的であったと言うことを
表しているような漢字です。
魚へん 虎 鯱(シャチ)
別名、サカマタ(逆叉)などと呼ばれる。
魚虎という魚をシャチまたはシャチホコと誤読
したことから始まり。
シャチホコは想像上の怪獣で、有名な名古屋城の
金のシャチホコの事です。
その後で魚へんに虎となり、鯱の漢字
が出来上がった。
シャチの餌付け
『和漢山才図会』(1712年)などから魚虎が
シャチホコとなっている。
その後、 魚偏に虎と変化していったようです。
魚へん 底 鯳(スケトウダラ)
もともとは、スケトウダラに使われていた
漢字は、魚へんに低という字が使われて
いた。
『大言海』には出ている。
魚へんに低の字が廃れて、代わりに
魚へんに底の鯳の字が登場する。
これは北海道大学水産学部で作られた
字のようだ。
由来の詳しいことは判らないが
スケトウダラがよく中層ないし底層を遊泳する
ことから魚へんに底の字が
充てられていると考えられる。
魚へん 敝 鱉(スッポン)
魚へん敝(ヘイ)と書いて「鱉」すっぽん
鼈とも書き、日本では鼈が一般的
団魚、甲魚などとも。
鼈(ベツ)はすっぽんの漢名。
魚偏ものは俗字。
鼈は黽(かめ)につくり敝(ヘイ)が
くわわったもの。
スッポンの画像
(写真のように甲羅が平たい)
敝(ヘイ)は横にひらくなどの意があり
横にのびた、平なスッポンの甲羅の姿をあらわしたもの。
スッポンは他の亀に比べて、かなり平たい姿をしている。
会意兼形声。「黽(かめ)+音符敝(ヘイ)(横にひらく)」。
横にのびて、平らにひらいた姿をしたすっぽん。
出典 – 学研日本語大辞典
魚へん 走 鯐(スバシリ)
鯔(ボラ)という魚の幼魚の事の呼び名の一つ
で3番目の大きさを表す。
関東でのボラの出世魚の順番は
オボコ⇒イナッコ⇒スバシリ⇒イナ⇒ボラ⇒トド
鯐の漢字は簡単な由来で、「洲走り」ということから来た
とされています。
よくボラが多いような釣り場にいくと、ちょうど
スバシリぐらいのサイズのボラが、干潮になってくると
ポチャンポチャンと等間隔で
鈍い音を出してジャンプしていくような行動を
よく見ることができます。
あの行動から「洲走り」とされ
魚へんに走とあてられたようです。
魚へん 易 鯣(スルメ)
魚へん易と書いて 「鯣」スルメ
イカが加工され、変わるという意図から
漢字が作られた。
鯣のつくり「易」は
「かえる(かふ)」、「かわる(かはる)」
などのイメージがあり。
そこから魚偏に易と書き
スルメの漢字が作られたという説がある。
『下学集』(1444年)にはすでに
鯣の漢字がみられる
魚へん 夌 鯪(センザンコウ)
魚へん夌(りょう)と書いて「鯪」センザンコウ
穿山甲とも書く。
中国ではセンザンコウを「鯪鯉」などと書き表し、古くは
魚の一種だと考えられていた。
『本草綱目』
魚偏が使われているのはこの為
だろう。
漢字の由来も実際の動物のセンザンコウ
の姿からと考えられる。
魚のように体表に毛が変形したウロコを持ち
筋が目立つような姿。
つくりの夌(リョウ)は、すじめが目だつ
意を表す漢字。
よくセンザンコウの姿の特徴を表している。
魚へん 羊 鮮(セン)
魚へん羊と書いて「鮮」(セン)
主に鮮でよく使われるのは「鮮度」という言葉。
鮮という漢字は中国では「生魚」や「新しい生肉」
を指す言葉。
中国に旅行などにいくとわかるが、料理などにも
羊肉がよく利用されている。
つくりに「羊」が入るのは新しい生肉
などを表すので充てられたという
説があり。
「魚」も「羊肉」も新鮮なものを尊ばれること
から「鮮」には
新しい、美しい、色あざやか、などの意も
含まれている。
魚偏漢字一覧 由来 タ行
魚へん 周 鯛(タイ)
鯛は一族の繁栄を祝福するために
供される魚なので調和の調の略体「周」が
使われたという説がある。
鯛の漢字のつくり、周には
あまねくという意があり。
まんべんなく調和がとれて
どこでも(周=あまねく)見ることができる魚で
あるので、そこから魚偏に周が充てられた。
というのが漢字の由来なようだ。
鯛の生態などからさらに、推測すると
タイ科の魚はよく性転換することで有名で
真鯛も性転換する。赤色系のタイは雌から雄へ行う。
若い時は、両性生殖腺を持つものが見られ。
2歳頃に多くが雄へと性転換し、成熟すると雌と雄は
ほぼ半数づつのになる。
周=調和がとれるということ、これは
最終的に雄も雌もちょうどいい具合に、分配されて
その種ではそれほど、子孫繁栄の為の争いなどが
おきない調和の象徴の意味を表している
などとも考えられる。
魚へん 章 蛸,鮹,章魚,鱆(タコ)
タコの漢字は一種類だけでなく
「蛸」
「鮹」
「章魚」
「鱆」
とすべてタコと入力して変換すると出てくる漢字
現在の日本では「蛸」が主な漢字として使われる。
タコという漢字はいろいろとありますが
タコの語源は主に
「手が多い」ということから来ています。
タは手、コは子、手が多い動物
『東雅』(1717年 新井白石)
タコは多股 足が多い
『魚鑑』(1831年 武井周作)
し「八」や「手」又は海に関する文字が入らず
「蛸」の虫偏が入る漢字が現在では使われているのかと
言いますと。
「蛸」という漢字はクモの一種アシナガクモを表す
しょう蛸を構成する文字
アシナガクモもタコと同じように8本足
クモとの類似性からタコも海蛸とされた。
これが蛸という漢字がタコにつけられている由来のよう。
魚へん 刀 魛(タチウオ)
太刀魚は日本刀にみたてて
つけられたという説が多い。
ひらひらとした動きに合わせ、銀色の光沢あり。
よく釣れば見慣れて当たり前になるが、初めて
生きたものを釣ってみると、太刀魚の体の輝きは
なかなかの物。
これは体全体がグアニン質の層に覆われているので銀色に輝く
『本朝食鑑』(1697年)
銀色の光は日本刀に
似ているということで「太刀魚」とつけられたとされている。
『俳詣歳時記栞草』(1851年)では
「状狭くして長し、薄くして削れる木片のごとし。また、長く薄くして尖れる刀の形の如し」
とされ、こちらも刀の形として記されている。
新田義貞が引き潮を祈願して、稲村ヶ崎の海に投じた
川柳でも太刀の生まれ変わりという風に記される。
「太刀の魚 新田この方 出来るなり
稲村が 崎で取れるは 太刀の魚」
魚へん 興(タナゴ)
鱮の漢字は『大和本草』(1709年)以降で見受けられる。
以下が鱮とされる内容
「今これを見るに、コノシロの如く、頭小に形扁たく、鱗細く
色白し。魚人に問ふに、好んで群行すと云ふ。味頗るよく、性亦た
軽くしてあしからず」
色々と魚の読み違いがあるようだが、ここから
鱮の漢字の訓がタナゴに定着した。
「好んで群行」ともされ、漢字の由来は
タナゴの特徴に群れて行動するという所がある。
漢字の興には「つらなる」という意味があり
それにちなんで魚偏に興と書き鱮と
なったと言われている。
魚へん 雪 鱈(タラ)
真鱈の分布は北方の地域の魚。
日本の冬場、雪の降る海でとれることも多い為
雪が降る季節になってとれる魚として
魚へんに雪が字が充てられてということが言われている。
他には出典は明らかではないが、雪のように
白い肉ということから
魚に雪と書くようになったという説もあり。
魚へん 幼 䱂(ダボハゼ)
詳しい漢字の由来は古典などから見つからず。
中国ではシナハゲカジカという魚に使われて
いたようなので、ここに漢字の本来の由来が
あるようにも思われる。
日本では魚偏に幼、䱂は主にダボハゼ、タナゴなどに
使われていたようだ。
簡単に推測してみると
幼の意味は
会意兼形声 幺(ヨウ)は、細く小さい糸。幼は「力+音符幺(ヨウ)」で、力の
弱い小さい子。
(名詞)おさない子ども。おさなご
(形容詞)かぼそい
ジグサビキで釣れたハゼ
小さいなどの意が多く含まれる。
䱂の漢字はダボハゼの語源のように
小さい、あまり食用にも適さないような
魚を表すために幼のつくりがあてられたの
かと思われる。
魚へん 亶 鱣(チョウザメ)
魚へん亶(たん)と書いて「鱣」
チョウザメを表す漢字。
他にも、鰉、鮪、鱘などもチョウザメとされた
こともある。
本来はウナギ、ナマズ、タウナギなどに鱣を使うのは
間違いで、中国ではチョウザメとして扱われて
いた漢字。
中国では最古の詩集。五経の一つ。『詩経』にもすでに
登場する魚であった。
『魚偏漢字の話』によると鱣の漢字は
大きいチョウザメのイメージがありとのこと。
漢字の由来になったのもダリアチョウザメだったのかもしれない。
さて鱣の旁の「亶」は「豊かで大きい」というイメージを
作り出す記号で、鱣は大形のチョウザメを表した漢字である。
中国には五種類のチョウザメが存在するが、いちばん大きいものは
Huso dauricus(ダリアチョウザメ)である。
日本では『古今要覧稿』(1821年)で鱣の漢字が
チョウザメと正しくされたようだ。
魚へん 酓 鰌(ドジョウ)
ドジョウの漢字の由来は諸説あり。
の姿が細長いということと
泥の中に潜んで生息しているということから
ミミズに似ているということで
ミミズの意をもつ「酓」の漢字が
つくりに充てられた説。
「酓」がドジョウの鳴き声「シュウ」の
擬声語という説。
「酓」の文字が徳利から酒気が蒸発することを
表す意があるようで。
ドジョウの水中での泳ぎ方が酒飲みのよった
姿に似ているので、魚へんに酓を充てられた
という説。
『さかな風土記』
またドジョウの漢字には「泥鰌」や「鯲」とも
書かれていた。
鯲の漢字のつくり、於は略字で泥を表し
泥の中にすむ魚ということでこの漢字が
つけられているとされている。
魚へん 毛 魹(トド)
アシカ類にたてがみ状の毛が生えている
ということがあり。
トドは雄は首の周囲にあらい毛の
たてがみが発達しているという特徴がある。
それらの特徴をとらえて、魚偏に毛と書く由来と
なったという説がある。
「魹」の漢字は昔『大海言』あたりから
出現している。
魚へん 飛 鰩(トビウオ)
魚へん飛
または鰩の漢字でトビウオ
トビウオは飛魚などとも書かれる。
漢字も名前の由来と同様に
そのまま「飛ぶ」ということに由来している。
鰩の漢字は現代ではそれほど
使われないもの。
鰩の由来は、トビウオが
巨大な胸ビレをはばたかせて飛ぶと思われていた
ことに由来する。
実際には鳥のように、翼をはばたかせて
飛ぶということはないが昔はそう
考えらえていたようだ。
古人はトビウオは翼を揺らして飛ぶと考えたのである。実際は
鳥のように羽ばたくのではなく、尾びれを振るだけであって、
グライダーのように飛ぶようである。
出典 – 『魚偏漢字の話』鰩 トビウオ
鰩のつくり䍃(よう)という漢字は
ゆらゆらと動かすという意があり
そこから魚へんをつけられてトビウオの
漢字に充てられたとされている。
魚偏漢字一覧 由来 ナ行
魚へん 念 鯰(ナマズ)
鮎の漢字がもともとは中国ではナマズと
呼ばれていた。
日本では古くは『和名抄』から鮎をアユと読み
ナマズには鯰を用いている。
鯰の漢字は、ナマズの体がぬるぬるとするような
姿に由来している。
念 ⇒ ねばる
鯰のつくり 「念」にはねばると
いう意があり、なまずの姿と一致している
ということで漢字の鯰がつけられた。
魚へん 取(ニゴイ)
ニゴイというのは骨の部位が多く
食材として使いづらい魚。
利用価値がなく、取る必要さえ
ないような魚という評価を受けていた魚で。
そこが漢字の由来となっているよう。
中国では鯫は「卑しい」または
「小さい」などの意を含んでいて
「取るに足らない小人物」などと
されていた。
魚へん 非・柬(ニシン)
魚へん非と書いて「鯡」ニシン
魚偏に柬(かん)の鰊もニシン。
鰊の漢字は元々「魚偏に東」の鯟という
漢字であったようだ。
「魚偏に東」の鯟の由来は
ニシンが東海に生息する魚で、そこで
よくとれることからつくりに東が
つけられたとされている。
ニシンはよく東北沖や北海道付近を
回遊するので、魚の特徴とあった
漢字。
現代ではニシンにはどちらかというと
鯡の漢字が使われる。
鯡の漢字に関しての由来は
鯡(ひ)という漢字が『玉篇』に「魚子」と
と記されている。
これをニシンの卵の「数の子」と考えた
昔の日本人がニシンに鯡を取り入れたと
いうのではないかとされている。
また、つくり非が否定の意があり
ニシンが小さい魚ということでまだ成魚に
なっていない魚という意味でつけられたと
いう説もあり。
魚へん 免 鮸(ニベ)
魚へん免と書いて「鮸」ニベ
鮸の漢字 つくりの「免」という字に
無理に押し出すという意がある。
ニベは魚には珍しくうきぶくろが発達していて
筋肉で音を出すこともできる。
これが鳴き声のようにとらえられ
特徴のある魚。
グーグーと無理に鳴き声で音を
出している様子を捉えて
免の漢字が充てられたとされている。
魚へん 人(ニンギョ)
魚へん人と書いてにんぎょ
日本に伝わったものは元をたどれば人魚という存在は
「鮫人」でサメから来たと考えられる。
中国では昔、サメに真珠があるとよく
考えられていた。
ここから話が発展して、真珠の涙を流す鮫人の
伝説が作られる。
鮫人は泉客とも言われていた。
鮫人という架空の存在は、詩人が色々なイメージを
しやすく話を作りやすかったのだろう、昔の
漢詩にはよく愛用されて残っている。
「送張子尉南海」の一節
楼臺重蜃氣 楼台に蜃気重なり
邑里雜鮫人 邑里に鮫人を雑(まじ)う
『鮫人』中野美代子 氏による訳は
「さて南海の地はエキゾチックなところで、楼台がそびえているかと見れば、蜃気楼が幾重にも積みかさなっているのだったり、町の中に鮫人という怪しい半人半魚の動物が雑居しているのに出くわしたりすることもあろう。」
人魚の漢字、魚偏に人もこれら「鮫人」という
存在が由来となっている。
魚偏漢字一覧 由来 ハ行
魚へん 沙 鯊(ハゼ)
ハゼという魚の多くは水中の砂地に
生息している。
かなり種類が多くいるが、よ砂を掘って穴を作ったり
して口で砂を吐いたりもする。
つくりの沙には「水中の砂地」というイメージが
あり。
ハゼの生息環境の特徴を捉えて。
魚偏に沙と書くようになったとされる。
魚へん 神・雷(ハタハタ)
魚へん神と書いて「鰰」
または魚へん雷「鱩」
どちらもハタハタという魚。
ハタハタは冬に雷がなる時期に産卵の
ために沿岸沿いの大挙して押し寄せる。
この時期に多く漁獲され、雷のなり方に
よってもとれる量が異なることも
あるようだ。
このような特徴と雷がなることを
とらえて命名された。
これが魚へん雷「鱩」とされた由来。
雷が鳴ることをハタタクと言い。
ハタタク⇒ハタハタ
となっていった。
雷のなる時期に多く捕れることを表すように
秋田では別名カミナリウオとも
呼ばれる。
魚へん神と書いて「鰰」の場合は
雷の古語をハタタ神といい
ここからきているという説がある。
ハタタ⇒ハタハタ
と変化していった説。
「秋田の海浜地方で冬雷の鳴る頃に捕へられた魚を
ハタハタといふものを雷から出て居ると思はれるから、元
は此の語があったのである」
『定本柳田国男集 18』
また『自然読本・魚』によると
ハタタガミウオ⇒ハタハタガミウオ⇒ハタハタ
と変化していったという説がある。
魚へん 反 魬(ハマチ)
日本で魚へんに反の魬という漢字がつくられた経緯は
ハマチがハリがある魚ということで魚へんに「反」と
されると考えられている。
魬を波里万知(ハリマチ)の名
『和名抄』(934年)
身が張って円(つぶ)らかだからハリ(張)マ(身)チ(父)
『日本語源』下
元は「ハリマチ」だったがつまって室町期にハマチ
と呼ばれるようになった。
魚へん 時 鰣(ハス)
鰣の漢字は日本ではハスを指すようだが
中国ではヒラコノシロに使われる。
これを読み違えて、日本ではハスとした。
「魴に似て肥美。江東、四月これ有り」
『和名抄』
ハスは日本では4月頃によくとれるので
これと間違えて鰣がつけられたようだ。
これは読み違いで中国のヒラコノシロが「鰣」
とされていたようだ。
現代中国の生物学者は鰣を Macrura reeuesiiに
同定している。これはニシン目ニシン科のヒラコノシロという
魚らしい。最近の魚の辞典にはこの名は見当たらないが、一昔前
の辞典(例えば『日本動物図鑑』、一九四七年、北隆館)には出ている。
出典 – 『魚編漢字の話』 鰣 ハス
ヒラコノシロは初夏が旬で、「この時期しか食べられない」
ことで時魚と言い。これから、魚偏に時と書き
鰣の漢字が充てられたとされている。
魚へん 旨 鮨(ハタ)
魚へん旨と書いて「鮨」魚の場合はハタ
現代ではスシを表すことが多い。
ヒレの漢字は「鰭」と書く。
この漢字の旁を旨に変えて鮨という
漢字ができたようだ。
ヒレの特徴をとらえて「羽太」などとも
漢字で書かれる。
現代では「鮨」という漢字は主に
スシを表すことに使われているので、ハタにはそこまで
使われることはない。
魚へん 豊 鱧(ハモ)
鱧は日本での勘違い漢字の一つのようで
ウミウナギやナツメウナギと間違われたことも
あるようだ。
中国では鱧はカムルチーという魚とされていた。
現代中国の生物学者は中国の鱧をスズキ目タイワンドジョウ科の淡水魚
Channa argus(カムルチー)に同定している。
アジア大陸東部の原産で、別名のライギョで通っている。
出典 – 『魚偏漢字の話』鱧 ハモ
現代では、淡水ではどこにでも比較的よくいる
雷魚、雷魚は外来種で戦後あたりの食糧難の為に
海外から入れられて、爆発的に増加したもの。
雷魚は脳にまで入り込む危険な寄生虫を
持つために日本では食べられなくなってしまった
のかもしれない。
日本人はよく刺身などで魚を食べるので寄生虫を
もらいやすい。
雷魚に鱧の漢字がつけられた由来は
「豊」は「形よく整う」というイメージがあり
雷魚の姿の七つの斑点を捉えたもののようだ。
魚へん 而 鮞(ハララゴ)
「而」は「兒」に通じる意があり
子供という意味も持つ。
ここから、はららごに魚へん而(ジ)という漢字が
あてられたとされている。
さらに、兒は、小さく細かいという意を含み
イクラに鮞の漢字が使われていたというのも
適しているように思える。
兒は、小さく細かいの意を含み、
睨(目を細めてにらむ)・
倪(小さい子ども)・霓(細いにじ)などに
音符として含まれる。
魚へん 危 鮠 鰷(ハヤ)
魚へん危と書いて「鮠」ハヤ
または「鰷」とも書かれていた。
「オイカワ」や「ウグイ」がハヤと呼ばれていた。
「鮠」や「鰷」ともに日本人が魚を読み間違えた
漢字とされている。
中国での漢字の由来は
はじめに、「鮠」は
ギギ科の淡水魚、中国名は「長吻鮠」という魚に
生物学者に同定されているようだ。
鮠は日本には棲息しない魚である。現代中国の生物学者は
コイ目ギギ科の淡水魚 Leiocassis longirostris(中国名 長吻鮠)
に同定している。
全長は二五センチほどで、吻が錐のように突出する。
出典 – 『魚偏漢字の話』鮠・鰷 ハヤ ハエ
名前の通り吻(口の先)が長く、ナマズのように
ひげがついているようだ。
「鮠」の語源はこの魚の特徴をとらえて
吻が突出する形をつくりの「危」のイメージで
作られた漢字とされる。
次に、「鰷」に関して
鰷はカワイワシと同定されている。
旧満州(今の中国東北部)の生物学者はカイワイワシと
名付けた。語源については『碑雅』(宋、陸佃)に
「形狭くして流し。条(木の枝)のごとく然り。
故に鰷と日ふなり」とある
出典 – 『魚偏漢字の話』鮠・鰷 ハヤ ハエ
カワイワシは中国原産のコイ科の淡水魚で、
細長い姿、頭がとがっている
で15㎝ほどにまで成長する。
昔の日本では情報を読み間違って
「鰷」の漢字をセイゴ、アユ、ハヤなどの魚と
読み間違えたようだ。
魚へん 氷(ヒウオ)
魚へんに氷と書いてヒウオなどと読む
いくつかの魚に使われる。
まずは、鮎(アユ)の稚魚。見た目の通り体が透きとおった
半透明色をしていて氷のように
見えることから氷魚と書かれた。
次に、カタクチイワシの稚魚の「シラス」
も氷魚などと読まれることもある。
シラスもまた、生きている時は
鮎の稚魚と同じように半透明で
氷のようなイメージがあり。
また、コマイという目タラ科タラに似たような
魚が、「氷魚」「氷下魚」と呼ばれる。
漁獲方法から氷魚などとされたようだ
根室湾では1~3月ころ海面や汽水湖面が一面に結氷したとき,その下に集まってくる
産卵群を氷に穴をあけて定置や手釣りで漁獲す。
出典 – 世界大百科事典第二班 コマイ(氷魚∥氷下魚)
このあたりが由来でコマイは氷魚とされたの
だろうと考えられる。
魚へん 皇 鰉(ヒガイ)
ヒガイの漢字は魚の姿や特徴などとは別に
故事などを材料にして造られた漢字の一つ。
要人などの人物にまつわった話としても
漢字が造られることもある。
鰉という漢字は、明治天皇が琵琶湖を
訪れたとき名産のヒガイを特に好んで賞味した。
この時に食べたのが、ヒガイを串焼きに
大根おろしを添えたものらしい。
『魚紳士録』下
このような事から魚偏に皇という漢字が
あてられたようだ。
魚へん 平 鮃(ヒラメ)
『新撰字鏡』では鮃の字にフナが充てられ
ている。
ヒラメは比目魚、平目とも漢字で書かれ。
楕円で平べったい姿を取り「平」
「平」べったい魚⇒鮃
となったという説が一般的。
魚へん 是 鯷(ヒシコ)
鯷という漢字は本来は昔の中国では
オオナマズを表す漢字だったようだ。
鯷は鮧や鮷の異体字で、『説文解字』(後漢、許慎)に
「鯷は大鮎なり」とある。鮎(ナマズ)は前述の通り、粘と同源で、皮が
粘液でねばねばとした特徴からの命名であった。鮧・鮷の場合は、
いずれも「弟」「夷」の「低い」というイメージがとられて、ナマズの
扁平な頭の特徴を捉えた命名になっている。
出典 – 『魚偏漢字の話』鯷 ヒシコ ヒシコイワシ
日本では鯷を、ヒシコイワシ(カタクチイワシ)に間違って
使い続けた。
日本で間違って、ヒシコイワシ(カタクチイワシ)に
鯷の漢字がつけられた由来を推測すると
鯷の漢字 つくりの是は
是(まっすぐで短い)などの意があり
他のイワシと比較した場合、カタクチイワシは
姿がまっすぐで短いことから
ということ、おそらくこれが由来と考えられる。
会意兼形声。「魚+(音符)是(まっすぐで短い)」。
出典 – 学研日本語大辞典 鯷
魚へんに 复 鰒(フグ)
現在の日本で使われる、ふぐの漢字は
「河豚」
魚へんに(复 フク)「鰒」
が使われる。
河豚がふぐの漢字とされるのは主に中国でつけられたのが
由来のようだ。
中国では海のフグよりも川のフグに関わることが
多いため河豚と表記される。
「复」は、ふっくらとふくれたとの基本義をもつ。
これがフグ敵を威嚇するためにふくらんだ時の
イメージとマッチしているので
魚へんの鰒がつけられた。
魚へん 及 魥(ヒモノ)
魥(キョウ)と発音して、中国では
コチなどの魚を指すのにも
使われることもある。
コチは日本では
魚偏に甬(よう)、伏などのつくりで
鯒や鮲などと書かれていた。
ひものの漢字のつくり「及」は
「乾」に通じかわかすという意味を
含むよう。
『魚へん漢字講座』
ここから、干物の漢字一文字に
魥の漢字がつけられたとされているようだ。
魚へん 養 鱶(フカ)
魚偏に養と書く由来はサメは種類により胎児性の
ものも多く、卵を産むような魚ではない
この特徴を捉えて
「子を養う」などの意から
魚偏に養と書く、それがフカとなって
いったと言われている。
日本ではサメを表す漢字に使われるが
中国などでは、魚の干物(イシモチ類)
を表す漢字に使われていた。
つくりの「養」にはやしなうなど
以外にも日に当てるという意味もあり。
魚を干して作る、保存食の干物に
対して使われていたようだ。
魚へん 付 鮒(フナ)
鮒は『俾雅』で以下のようにされている。
「此の魚は旅行し、沫を吹くこと星の如く然り。
則ち相即くを似てこれを(せき)と謂ひ、相附くを似てこれを
鮒と謂う」
『俾雅』
①くっ付くほどに群れで泳ぐ姿。
②水草に並んでくっ付く卵の姿。
などから、 魚偏に付と書かれ
フナという魚の特徴をとらえたと考えられる。
魚へん 師(ブリ)
鰤は出世魚で70㎝以上をブリといいそれ以下
の魚を別の名前で呼びます。
それらの名前にも地方によって呼び方が異なるので
さらに複雑になっています。
まず、ブリの漢字 魚偏に師が使われる理由の一つとして
中国で魚師というのは、老魚の意という意味あいで
大きい魚ということで、師の漢字が当てられたという理由
『日本山海名産絵図』(1797年)
に漢字の鰤が「老魚」の意味からきている
とされている。
鰤という字は日本でつくられた字である。中国で魚師というのは大魚,老魚の意で,
これから鰤の字をつくってあてたらしい。
出典 – 世界大百科事典第二版 ブリ(鰤)
次に師走に贈られていた魚ということが
理由とされる
「蓋しブリの名久しきを経るの義たるを似て、延年の意を し、新年を迎ふる寿
をなし、大魚を云ふにて、小より大に至り卑きより高きに昇る出身の嘉儀とするものなり」
『海魚考』(1807年 饒田喩義)
ブリは出世昇進の年末の贈り物として年末に贈られていたので
師走の「師」がつけられたとの説。
魚へん 甾 鯔(ボラ)
漢字の語源はボラの体色が黒いと
いうことから来ているという説が有力。
『本草鋼目』では
色が緇黒(しこく)⇒黒い
ということでボラの漢字が鯔だと
いうことが書かれている。
他には、鯔のつくりの「甾」はあぶらを意味し。
幼魚の腹に黄色い脂肪が詰まっている
ということで、鯔という漢字があてられたと
いう説もあり。
魚へん 花(ホッケ)
ホッケの漢字の由来のひとつに
産卵期にはオスが婚姻色で
コバルト色になり鮮やかな唐草模様の斑紋が
出てくること。
ふたつめに、幼魚の時に美しい青緑色を
していること。
ホッケが時期によって綺麗な色合いに
なるといっても日本でも
もっとカラフルで花のような魚は
多数いるが、優先的にホッケに漢字が
つけられたので、このように現在も使われて
いる。
魚偏漢字一覧 由来 マ行
魚へん 有 鮪(マグロ)
マグロの漢字は、中国の「鮪」という魚
との取違えからとする説があり。
鮪の形状について『詩経』の動植物を研究した三国・呉の
博物学者、陸璣は次のように述べている。鮪魚は形は鱣に似て、青黒なり。頭は小さく尖り、鉄兜鍪(鉄の
かぶと)に似る。口は頷の下に在り。その甲は似て薑(ショウガ)
を磨くべし。大なる者を大鮪と為し、小なる者を叔鮪と為す。一名はらく(魚偏に各)。
肉の色は白し。味は鱣に如かず。鮪という魚は口が顎の下にあり、堅い甲があるという。とてもマグ
ロとは思えない。右の記事に出る鱣はチョウザメとされており、鮪も
その一種なのである『詩経』では鱣と鮪はセットで出ており、ともに
黄河の中流で捕獲される魚である。
出典 – 『魚偏漢字の話』 鮪 マグロ
中国の「鮪」という漢字が使われていた魚は
チョウザメという魚のようで、どちらかというと
卵のキャビアのほうが知名度は高い。
(チョウザメの画像)
チョウザメの生態には、冬には穴の中に眠り
気温が暖かくなると出てくる魚とされていた。
鮪のつくり「有」には「ないものがちょっこり現れる」
という意を表し。
チョウザメの特徴から魚偏に有となったと
いうことのようだ。
魚へん 尊 鱒(マス)
鱒という漢字はコイ科の淡水魚、カワアカメ
のことを中国では表すという。
現代中国の生物学者は、鱒を
Squaliobarbus curriculus に同定している。これは日本には
棲息しないコイ目コイ科の淡水魚で、体長は五〇センチほどである。体形は丸みを帯びて
細長く、口に一対のひげがある。背やひれは赤褐色、腹部は淡い青色で、目の虹彩は紅
色を呈する。旧満州(今の中国東北部)ではカワアカメと呼ばれた。
出典 – 『魚偏漢字の話』鱒 マス
このカワアカメという魚は体形が丸みを
帯びているということで
鱒の漢字がつけられた。
鱒という漢字は日本では魚が取り違えて考えられていた。
日本のマス(サラクラマス)は、産卵期には雄に婚姻色が
出て赤く染まる、これが昔は腹赤と呼ばれた。
本来であれば、「鱒」はカワアカメのはずだったが
日本ではサクラマスの婚姻色の赤さなどを
カワアカメの情報と勘違いして鱒をそのまま使っていて
現在に至るようだ。
魚へん 方 魴(マトウダイ)
魚へん方と書いて「魴」マトウダイ
また、近縁種のカガミダイを表す。
中国ではトガリヒラウオを表していたことも
ある日本での読み違い漢字のようだ。
漢字の由来は、マトウダイの体の中央に
ある黒い大き目の斑点から
来ているという説が一般的。
名前の的鯛と同じように「的」
に関連する語がつけられた。
魴 つくりの「方」の意味は多いがその中で
「あたる」や
東←→西、南←→北のような「方向の意」となる。
このように的を表すようなイメージも
あり、そこから魴の字がつけられたと考えられる。
魚へん 昌 鯧(マナガツオ)
漢字「鯧」マナガツオの訓が古くに
出現したのは室町時代の『節用集』。
その前はマナガツオは中国の魴(トガリヒラウオ)と形が
似ているので読み違えられ魴とされていた
こともある。
朱子学者の朱舜水により
鯧=マナガツオの漢字と認定した。
『舜水朱氏談綺』
鯧の漢字の由来は
つくり「昌」には。あかあかと輝く、明るい。
などの意がある。
「昌明」「朝既昌矣=朝既に昌らかなり矣」〔詩経・斉風・鶏鳴〕
マナガツオの銀色に輝くの姿などを
捉えて漢字がつけられたという説があり。
さらに、「昌」にはさかんなどの意もあり
昔マナガツオは娼魚などと呼ばれたこともあるようだ、ここ
にも漢字の由来などもありそうな所。
魚へん 坴 鯥(ムツ)
名前の由来「陸奥」という言葉から来たとされる
漢字のつくりが坴と書く由来
になったとされている。
これは単純に陸のつくりの坴(りく)
を魚偏にあてて「鯥」という漢字が
つけられた説がある。
魚へん 室 鰘(ムロアジ)
鰘(ムロアジ)の漢字は多く捕れる
場所が由来となった説がある。
室津でよく捕れる鯵⇒室鯵
ムロアジが播州の室津で多く捕れる
ことから室鯵というと『本朝食鑑』には記されている。
「室鯵」が魚偏に室と変化していき
現在つかわれる鰘の漢字がつけられて
いったようだ。
魚へん 休 鮴(メバル)
ゴリまたは沿岸沿いでよく釣れるメバルにも
この漢字があてられている。
ゴリは石伏の別名なので同じ由来から来る。
『和名抄』ではイシブシを
「性は伏沈し、石間に在るものなり」
としていて。
石の間に休んでいることが多いために
ゴリの表記を魚偏に休と書いたようだ。
メバルに至っても、ほとんど同じように岩礁帯の
所で休んでいることが多い(底に伏しているというわけではない)
ためにつけられたのだろうとされている。
メバルは根魚とされているが、表層にもよく浮かび上がる
表層に流れてくるアミなどのプランクトンをよく食べる。
どちらかというとメバルの場合は、一定の場所で待機している
ので休という漢字がついているとも言える。
青地メバル(黒メバル)以外はそれほど回遊せずに
産卵行動などを除き一般的には
直径500mぐらい圏でしか生活しないとされている。
魚偏漢字一覧 由来 ヤ行
魚へん 鰥(やもお)
鰥は現代であれば、「男やもめ」などの言葉に使われる
ことが多い。
魚であればヤマメを指している。
サクラマス・ヤマメは同じ魚で、
降海型はサクラマス、河川残留型(陸封型)をヤマメ
と呼ぶ。
鰥の漢字の意味には
やもお(やもを)。年をとって妻のない男
まるく太った大魚の名
などがある。
魚へんの右側の字は「目+なみだ」というイメージ
年老いて妻のない男が涙を流すさま。
魚のようにまるい目をあけて涙が落ちるという
イメージでついたらしい。
鰥(やもお)の漢字が男に使われるのは
北海道や東北などの地域でヤマメの雌が海に下ると、雄だけが山に
残り独身生活を送る、ここから「鰥暮らし」などという言葉が
生まれたという説があり。
魚偏漢字一覧 由来 ワ行
魚へん 若 鰙(ワカサギ)
昔ワカサギは一般的に「若鷺」と書かれた。
別に「公魚」などもあり。
公魚と書くのは、江戸時代に霞ケ浦の麻生の幡主が
毎年将軍へ串焼きのワカサギを献上したことに
由来している。
鰙の漢字も語源の由来と同様に
ワカ(幼い)+ サギ(小魚の意)
から来ていて、魚偏に若と書く
ようになったとされている。
魚へん 固(ワダカ)
魚へん固と書いて「鯝」
魚のはらわたを表す漢字
ワダカという魚のことにも使われる
こともあるよう。
もとは中国で使われていた漢字で
魚のはらわたを表すということが
言われている。
古典などから詳しい由来は確認できず。
つくりの固は
「囗(かこい)+音符古」で、周囲からかっちりと
囲まれて動きのとれないこと。
などの意があり、この辺りが由来となっている
ようにも思える。
魚へん 咢 鰐(ワニ)
漢字の由来はワニの特徴である歯で
かみ合うということからきている。
鰐の旧字体は虫偏に「逆(の原字)」という漢字で。
つくりの「逆」というのは、さからうという
意やむかえるという意がある。
むかえるという意であれば、2つものが反対向きに
「かみ合う」というイメージもあり。
ワニが獲物に噛みつき捕らえる、特徴をとらえて
つけられたという説がある。
「鰐」の漢字に関しては、つくりの咢が
逆(ギャク)・牙(ガ)(交差してかみあう)と同系
でありこの漢字がつかわれたものと
思われる。
掲載している魚偏の漢字すべての
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すべて簡単に由来を引用しておきます。
詳しくは個別に詳細のページを
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