白点病の治療と原因
白点病とはクリプトカリオン・イリタンス(Cryptocaryon irritas) という学名の線虫が
海水魚に寄生しておこる症状、クリプトカリオン・イリタンスが好む水温は27度以上。
この線虫は、淡水の白点病のウオノカイセンチュウでことなるので注意が必要。
ウオノカイセンチュウの好む温度は25度以下。
淡水の場合、高温にすると白点病は治りやすいが海水の場合はあまり高温にすると
余計に白点病を活性化させてしまう。
白点病は体表に白い斑点が現れたり、呼吸が速くなったり、目が白くにごったりする
見た目で判別することもできる。
ライブロックなどに自らの体をくるっと体を捻ったように素早くたたきつけたり
する動作を何度も繰り返す。
ライブロックなどに体をたたきつけることで傷ができ、そこから他の病気になる可能性もある。
似たような病気の症状にリムフォシスティスがある、違いは白点病は白い点の
場所が変わるが、リムフォシスティスは場所が変わらない。
白点病の原因
水槽が安定した時期から突如、白点病になることは少なく
白点虫や病気の原因を他から水槽にもちこんだ時が原因となり
白点病になることが多い。
綺麗にみえている水槽であっても白点病の病原虫は水槽のいろいろな場所にいる。
目に見えてないだけで、一般的な水槽では根絶することほぼ不可能。
バクテリアの豊富な濾過槽とそのメンテナンスを怠らないのが
白点病になる確率を下げる。
環境が良ければ、白点病にかかりにくく、直りやすい。
おもに原因となりやすい時期は
- 新しくセットした直後の水槽
- 新しく購入した海水魚を水槽にいれる時
- 水換えした時
- 水温が低い時。
- 海水魚がストレスをかかえる環境に変化した時
の時に起こりやすい。
これら時はに白点病対して十分に気をつけておきたい。
とくに初心者の場合は、水槽で白点病が
発生して全滅ということにも十分起こりえる、このような事態になり
海水魚をはじめてすぐに、いやな思い出をつくってしまうのは避けたい所。
白点病 原因 新しくセットした直後の水槽
新しくセットした直後の水槽には本来ならば、海水魚をすぐに入れるべきではない環境。
海水の濾過槽は豊富なバクテリアをつくるにはそれなりの時間を要するので
半年程度じっくりと時間をかけて濾過槽に豊富なバクテリアを
つくってあげ、飼育するのが海水魚への配慮というもの。
新しくセットした直後の水槽だと、もともと白点病にかかりづらい種類で
かなり強い固体でないと病気にかかる確率はかなり上がる。
飼育する個体数もかなり押さえ気味、(ほぼ一匹)にしたほうがよい。
パイロットフィッシュとよく呼ばれる海水魚で水槽を立ち上げていく。
一般的にクマノミの種類、スズメダイの種類などは白点病にかかりづらい種類。
白点病 原因 新しく購入した海水魚を水槽にいれる時
まず、新しい海水魚が白点病を持ち込む可能性がある。
ヤッコ、チョウチョウ、ハギなどは高確率で寄生していると考えたほうが良い。
これはトリートメント水槽を用意し安定するまで様子をみてからメインの水槽にうつす。
他に混泳させたときに新しくいれた海水魚がストレスを抱えたり。
エサが一部の海水魚だけに奪われたりしてエサがあまり食べれない魚も出たりする。
いろいろな原因が考えられるので新しく購入した海水魚を水槽にいれる時は
注意しないといけないことは多い。
白点病 原因 水換えした時
水換えした時
・水温が水槽の水温と合っていなかった(水温の急激な変化)
・底砂を巻き上げ、砂底にいる白点病の線虫を水中に舞い上がらせた。
・濾過槽を洗浄しすぎてバクテリアを失った。
などの原因がある。
白点病 原因 水温が低い時
暖かい海水に住む海水魚にとっては低い温度は、体を弱らせ病気に対する
抵抗力を奪う要因となる。
水槽の置き場所が悪く一部が熱くなったり、寒くなったりするのも
水温の変化があり良くないので置き場を考慮する。
適度に水槽に水流があるのが良い。
白点病 原因 海水魚がストレスをかかえる環境に変化した時
海水魚の病気の原因になる一つがストレスがある。病気になる原因が水質とストレス
と言われるぐらいに海水魚にとってはストレスは重要な要因だ。
新しく購入した海水魚いれたり、水槽のレイアウト(隠れる場所)、水流、水槽の置き場所を変えたなど
ストレスとなる要因はあるのでこれ等変化させたときに白点病が
発生したときは見直す必要がある。
白点病の治療
白点病の治療というのは大体の場合一時しのぎにしかならない事が多く
バクテリアの豊富な濾過槽を作り、そののメンテナンスを欠かさない
ことが白点病を再発させない一番の秘訣になる。
環境が良ければ、かかりにくく、直りやすいので
白点病の予防は良い水槽環境を構築するのが最善の策になる。
白点病で効果がある有効なのはレインボーライフガードQL-40
ぐらいであとは、効果が薄いようだ。
海水魚が病気にかかった場合いきなり環境を大幅に変更するというのはかなり良くない。
例えば、底砂を洗うためかき混ぜたり、濾過槽を丸ごと交換など。
病気にかかった場合、本質となる原因以外の環境は
基本的にあまり変えないほうが良い。かえることによって魚のストレスとなったり、大幅な
水質の変更となり危険である。
白点病は海水魚の種類によってかかりやすさが大幅に異なる。
かかりやすい種類はチョウチョウウオの種類、ニザダイの種類、フグの種類で
クマノミの種類、スズメダイの種類、マンダリンフィッシュの種類、ウツボの種類はかかりにくい。
ただ、クマノミの種類はイソギンチャクとともに飼育しないと
白点病にかかりにくいとまではいかない。
治療方法は以下のような方法がある。
- 唐辛子
- 硫酸銅、銅イオン(効果あり、無脊椎動物は亡くなる)
- マカライトグリーン(エビ類亡くなる)
- グリーンFゴールド(白点病の線虫には効かない)
- 淡水浴(効果?)
- 自然治癒(環境がよければ○)
白点病 治療 硫酸銅、銅イオン
必要な道具は、銅イオンと銅イオンテスター。
エビ、カニ、イソギンチャク、サンゴの無脊椎動物はすべて亡くなるので
別の水槽で行うなどの配慮が必要。
濃度0,5ppmで浴を行う、銅イオンを5gを50リットルの水槽に溶かすと0,5ppmになる。
銅イオンに弱いハコフグなどは0,3ppm,で泳がせる。
銅イオンは直接水槽に入れるのではなく、別の容器で
完全に海水ととけるまで待つ。
完全に溶け濃度0,5ppmの液体ができたら、直接水槽に流し込むのではなく
海水魚にかからないように少しづつ水槽に入れる。
このときサイフォン方式や点滴方式などを利用すると良い。
水槽に銅イオンの液体が入った後で再度、銅イオンテスターで濃度の確認を行う。
銅イオン濃度は時間とともに下がっていくので、2,3日に一度銅イオン測定をおこない
下がった濃度のぶんだけ銅イオンを水槽に追加で投入する。
白点病が消えるまでこの治療をおこなうが、白点病が治ったとしても
1週間ほどつづけて治療をおこなう。
白点病 治療 マカライトグリーン
マカライトグリーン、発がん性物質が含まれていることが判明したため
現在販売中止。
規定量の量を水槽に投入する、銅イオンのように少しづつ
水槽にいれるのが良い。
銅イオン治療法よりも、海水魚、無脊椎動物、濾過バクテリアには影響が
すくない。
エビ類には害があるので、エビの入っている場合は使用不可。
白点病 治療 グリーンFゴールド
グリーンFゴールドは白点病の線虫には効かなく、白点病にかかった海水魚を
他の細菌から守って白点病を直りやすくする。
使用方法は、グリーンFゴールドの規定量の半分いれたトリートメント水槽で
浴させて、グリーンFゴールドの海水で毎日水換えを行う。
毎日水換えを行うことで白点病の線虫をほぼ捨てることが出来る。
水換えの際は水温をしっかりあわせて、温度ショックをないようにする。
念のため白点病が消えた後でも1,2日、グリーンFゴールドで水換えを行う。
白点病 治療 淡水浴
白点病にかかった海水魚を淡水に入れることによって、白点病の線虫を体から
離れることを期待した方法。
トリートメント水槽を用意して、温度差に注意して行う。
粘膜保護剤やphコントロールも必要、元いた水槽のphに合わせる。
淡水浴する時間は重要で2~10分ほど、長い時間行うと海水魚に
ダメージを与える。
淡水浴は海水魚の体の中に入った白点病にはあまり効果が
なく、リスクもある。
白点病 治療 自然治癒
白点病が発生したとき治療を行わずにおいていると、海水魚の体から養分を吸い上げ栄養体という形になり
魚から分離し水中で数匹の仔虫に分裂して、水槽内で拡散する。
多量に分裂していくので伝染力がつよく他の海水魚にうつりやすい。
白点病は分裂するのが早く、白点病にかかった海水魚だけを他の水槽に隔離しても
元の水槽内に白点病が残るのでまた再発する可能性がある。
自然治癒の場合水換えを行い水槽内の白点病を減らすことが重要となる。
海水魚の様子をみて、細かいサイクルで水換えを行う。
この際、大幅な量水換えを行うのではなく1/10程度ずつ行う。
バクテリアの豊富な濾過槽がすでに完成した状態で、白点病にかかった海水魚の
餌の食いがかなり良い場合は海水魚の状態をみて、自然治癒を考えても良い。
トリコディナ病
トリコディナ病はクマノミがよくかかる病気の一つ。
ただ、クマノミの場合はイソギンチャクと共存させることによって
トリコディナ病にはかなりかかりづらくなる。
かかったとしても自然治癒しやすいようだ。
トリコディナ病はリムフォシスティス病やウーディニウム病よりも
進行が早く、直に治療しないと数日で亡くなる可能性がある。
症状の見た目は、体表に薄い半透明のまくができたような
状態になる。
原因はコンディションが悪い魚の体表に
トリコディナ原虫がつき発病する。
水槽の水質が悪化しているときに起こりやすい病気。
トリコディナ病の治療
トリコディナ病の治療は淡水浴によって治療できる。
淡水浴は海水魚にかなり負担をかける、リスクがある方法。
まだコンディションが良い場合に行う。
淡水浴はトリコディナ病にかかった海水魚を淡水に入れる
ことによって、トリコディナ原虫を体から
離れることを期待した治療方法。
トリートメント水槽を用意して、温度差に注意して行う。
粘膜保護剤やphコントロールも必要、海水魚が元いた水槽の温度やphに合わせる。
淡水浴する時間はカクレクマノミの場合は2~3分ほど、長い時間行うと海水魚に
ダメージを与える。
最後に時間をかけて、すこしづつに元いた水槽の海水を
足し比重を合わせてから水槽に戻す
ウーディニウム病
ウーディニウム病は白点病と見分けにくい病気で、
目視で発見するのは難しい。
白点病と同じく、体表に白い斑点が現れたり消えたりを
繰り返すが、白い斑点が小さいので目視で確認しづらい。
違う点は病気の進行具合によって、海水魚の体色がやや黄色く
なってくる。
白点病にくらべて症状の悪化が早い、など。
チョウチョウウオ、スズメダイの稚魚などが
ウーディニウム病かかりやすい。
治療法は白点病とほぼ同じ
ウーディニウム病 原因
直接の原因はウーディニウム・オケラタムが海水魚の鱗に寄生して
発病する病気。
ウーディニウム病の発生原因になるのは、水槽の水質が悪化
していたり、水の温度が高温の場合に発症しやすい。
ウーディニウム病にかかると海水魚が以下のような行動を起こすようになる。
- フィルターからの排水口近くや、水槽の端でじっとする。
- 海水魚の呼吸が早くなる。
- 海水魚がライブロックなどに自らの体をくるっと体を捻ったように素早くたたきつけたり
する動作を何度も繰り返す。
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